PoC(Proof of Concept、概念実証)を繰り返すのだが、その先に進まない――。いわゆるデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進しようとする企業の多くは壁に突き当たっているのが現状だ。 そんななか、不動産大手の三井不動産の取り組みは注目に値する。取り組みの名称は「デジタルラボ」。デジタル人材の育成とデジタル技術を活用した新サービスの創出、事業化を同時に実現するための、1年がかりの社内イベントである。 2018年度に試験的に第1期を実施。効果があったと判断し、2019年5月から内容をより進化させて第2期を開始したところだ。 デジタルラボの概要はこうだ。社内外の様々な部署から合計20人の若手を集め、5人1組で4チームを作る。チームにはIT部員と事業部門の社員のほか、システム開発の協力会社であるNTTデータの若手エンジニアをバランスよく組み合わせ、混成チームにした。立場の違う人