送還を拒否するなどして収容が長期に及ぶ不法滞在外国人のうち、懲役3年以上の実刑判決を受けた刑法犯が昨年末時点で約310人に上り、うち難民認定申請中が約150人と半数近くを占めることが18日、分かった。申請を繰り返すケースもあり、申請中は本国へ送還できない「送還停止効」の悪用も疑われる。政府与党は難民認定申請に上限を設定する入管難民法改正案の今国会成立を見送ったが、こうした問題は先送りされることになる。 入管当局は不法就労などで国内に残留する外国人を摘発し、退去処分後に出国するまで原則、施設に収容している。年間で約1万人は処分に応じ出国するが、本人が拒否したり、本国が強制送還に応じなかったりする外国人は昨年末時点で約3100人に上る。このうち約2440人が病気などの理由で収容施設から「仮放免」されている。 約3100人の中で不法滞在以外に罪を犯し、懲役3年以上の実刑判決を受けた人は約310人
「長期収容」 日本で暮らす多くの人には、聞き慣れない言葉かもしれないが、不法滞在で日本で暮らせなくなった外国人にとっては、恐怖の言葉だろう。 不法滞在の外国人が増え、入管施設での収容が長期化するケースが相次いでいる。 これを解消しようと、政府は出入国管理法などの改正案を提出し、与野党が修正で大筋で合意したものの、今の国会での成立は見送られた。 背景には何があったのか。そして「長期収容」の問題はどうなるのか。 (仲秀和) 突然の見送り 「国会で審議が尽くされないような状況であることは極めて遺憾であり、重い決断をしなければならない」 5月18日、自民党国会対策委員長の森山裕は、立憲民主党国会対策委員長の安住淳に、出入国管理法などの改正案の今国会の成立を見送る考えを伝えた。 与党側はこの日、野党側が提出していた衆議院法務委員長の解任決議案を否決したうえで、すみやかに委員会で改正案の採決に踏み切る
3月26日、参議院議員会館で「難民問題に関する議員懇談会(難民懇)」が開かれ、議員による入管庁側へのヒアリングが行われた。入管庁は、ウィシュマさんが死亡したことについての調査が既に進行中であるにも関わらず、第三者に加わってもらうことを「検討する」としていた。その後、4月9日に公表された「中間報告」では、死亡から一カ月経ってもなお死因は特定されていなかった。「第三者が調査に加わっており」と記されているものの、その「第三者」が何者なのか、名前などは一切公表されていない。 遺族側の代理人を務める指宿昭一弁護士は、「人を収容し、死なせてしまったのなら、どう考えてもこれは名古屋入管の責任なんです」と語る。「入管が任命した人は“第三者”ではありません。入管は調査されるべき対象であって、調査する側ではありません。泥棒に泥棒を捕まえさせるとよくいいますが、まさにそういったことが起きているのでは」と問う。
名古屋出入国在留管理局の施設に収容中だったスリランカ人女性、ウィシュマ・サンダマリさん=当時(33)=が死亡した問題で、出入国在留管理庁が10日に公表した調査報告書では、ウィシュマさんの収容を継続した判断は「不当とまでは評価できない」とした。一方、死因の特定には至っておらず、遺族は「これが最終報告か」と批判した。 報告書によると、ウィシュマさんは平成29年に留学の在留資格で入国。日本語学校を除籍後、所在をくらませ不法残留となった。昨年8月に静岡県の交番に出頭し、施設に収容された。 当初は帰国を希望していたが、支援者と面会後に一転して在留を希望。今年1月に支援者の一人を保証人として一時的に収容を解く仮放免の許可を申請し、吐き気などの体調不良も訴え始めた。この支援者を保証人とした仮放免をめぐって平成27年以降に10件の逃亡事案が判明しており、入管側は「支援者にあおられ、仮放免を求めて執拗(しつ
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く