史学・考古学双方の研究を駆使して描く実態 複雑に専門分化した社会を襲った危機 生産と流通の巨大ネットワークを持つ「文明」が崩壊したとき、人びとの暮らしに何が起きたか。複雑に専門分化した古代ローマ社会の脆弱さを探る。 ローマ帝国は衰亡したのか、独自の価値をもつ「古代末期」という新しいポジティヴな時代と捉えなおすべきなのか。本書は長年のこの議論をわかりやすく解説しつつ、「ゲルマン民族が侵入してきたとき、経済や社会に何が起き、人びとの暮らしはどう変化したのか」を、文献史料や陶器・家畜の骨・建築物(の跡)などを使い、史学・考古学双方の研究を駆使して描き出している。 ローマ帝国はさまざまな方法で経済的発展を促進し、税収による莫大な金銭を再分配した。ライン川とドナウ川に沿って駐屯していた職業的な軍が五世紀に崩壊すると、給料を得ていた何万もの兵士たちの購買力も失われ、彼らの装備を製作していたイタリア北部
実験室は十九世紀が生んだもう一つの人工楽園だった。芸術に「科学の正確さ」を求めた自然主義者はもちろん、純粋な美を目指した象徴主義者やデカダン派に至るまで、十九世紀の芸術家たちは「美のテクノロジー」に憑かれていた。マラルメはすべてを計算して詩から偶然を排除せんとし、フローベールは考古学的考証に耽り、ゾラは芸術家は現象をうつす写真家でなければならないと説いた。産業社会に反逆、あるいは逃避したはずの作家たちが、実は彼らの忌避したテクノロジー思考に支配されていたことをあばき、近代における「方法の制覇」「視覚の専制」、そこから生じる距離と疎外の問題を論じて、文化史の革命的書き換えを成し遂げた名著。待望の復刊。 [著者略歴] ワイリー・サイファー(Wylie Sypher) アメリカの英文学者・文化史家。1905年、ニューヨーク州マウント・キスコ生まれ。アマースト・カレッジ卒業後、ハーヴァード大学で博
「核兵器のない世界」は実現できるのか? ピュリツァー賞受賞、傑作ノンフィクション! 冷戦時代、レーガンは「核兵器の全廃」という理想を胸に秘めつつ、 「スター・ウォーズ計画」を構想し、ソ連の脅威に対抗した。 いっぽう新進のゴルバチョフも同様で、緊張する東西対立に劇的な分岐点をもたらそうと目論んでいた…。 核・生物兵器の軍拡競争の実態、政治家や科学者の奮闘、CIAやKGBの暗躍を、 米「ワシントン・ポスト」紙の記者が、綿密な取材と圧倒的な筆力で描く。 [地図・口絵写真収録] 「一九八二年までに、米ソ両国が保有する戦略核兵器の威力は、ヒロシマ型原爆にして、およそ一〇〇万発分に到達した。これほどの核兵器をかかえているのに、ソ連の指導者たちはおめおめと寝首を掻かれ、反撃のチャンスを逸することを恐れていた。そこで彼らは、報復攻撃を確実におこなえる一種の保証システムを考えた。同システムは「死者の手(デッ
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く