日本企業の2010年度のIT予算は前年度並み――。今年の企業ITの動向を予想する上で、すべての前提となるのが、この現実である。世界同時不況を受けて多くの企業が2009年度のIT予算を絞り込んだため、普通に考えれば企業の情報システム部門やITベンダーにとって厳しい状況が続くことになる。しかし、それゆえに大きな潮目の変化が訪れると考える。今年は、その潮目の変化をつかんだ者が勝者となれるだろう。 日経コンピュータが2009年12月上旬に、CIO(最高情報責任者)や情報システム部長を対象に実施した「景況・IT投資動向調査」の結果を見ると、回答を得た250社中、およそ3分の2の企業が2010年度のIT予算を前年度並み(増減なし、10%未満の増減)とするとした。詳しくは1月6日号の特集で紹介するとして、ここでは今回の調査や個別取材で浮かび上がってきたキーワードを記しておく。 それは、企業の情報システム