戦闘機漫画の金字塔『エリア88』には、数々の魅力的な戦闘機が登場します。主人公の「風間真」は軽量戦闘機を好んで選ぶ傾向が見られ、歴代の搭乗機は比較的、小型ながら名機といえる機種が勢揃いしています。 【画像】なるほど「前進」翼 こちらが実在する「X-29」です(4枚) そのなかでも異彩を放つのが「X-29」です。 同機は、主翼が胴体の付け根から翼端に向かって機体の前方へ角度をもって取り付けられている「前進翼」を持ち、特異なシルエットは読者の目を釘付けにしたことでしょう。しかし、この魅力的な機体は前進翼が主流な技術とならなかったからこそ、際立っているともいえます。 なぜ前進翼は主流にならなかったのでしょうか。 一見、架空機に見えるX-29ですが、アメリカのグラマン社(現、ノースロップ・グラマン)によって開発された実機です。その開発目的は前進翼の特性を解明し、将来の航空機の設計に活かすための実験