備前焼で製造された手榴弾(しゅりゅうだん)の陶片が岡山県備前市の窯元から大量に見つかり、一部が備前市民俗資料館(同市東片上)で開催中の特別展「戦時と日常」で展示されている。戦時下で物資が不足するなか、焼物さえも兵器に用いた切迫感が感じられる。30日まで。 手榴弾の陶片は昨年末、同市伊部の備前焼の窯元「桃蹊堂(とうけいどう)」で改装工事中、床下からトラック1台分が掘り出された。一部を当主の木村桃山さん(73)が同市教育委員会に寄贈。洗浄したところ、容器約60リットル分の量となったという。 同館によると、終戦間際に軍からの性急な指示で、複数の陶工を動員して製作したとみられ、サイズや模様に一体感がない。ただし、底面には木村家に割り振られた通し番号「三」の刻印が残る。陶片は主に長さ約8センチ、胴径約6センチのものが多く、投じる際の滑り止めか、殺傷力を高めるために爆発で破片を細かく飛散させるためか、