最近知り合った人に「どこにお住まいなんですか?」と何気なく聞いてみた。すると「今、家がないんですよ」と彼は言う。 そうか、可哀想に。なぜ家がある前提で話しかけてしまったのだろう。ただちに謝罪したが、よくよく聞けばべつに気の毒な話ではないらしい。 なんでも彼は決まったすみかを“あえて”持たず、いろんな街の格安宿を泊まり歩く生活をしているというのだ。家を借りられない事情があるわけでもなく、積極的にそのスタイルを選んでいる。 いったいどういうつもりで、そんなヤドカリみたいな生き方をしているのか?その一日に密着し、問い詰めてみることにした。 ヤドカリ暮らしは「本当に自分にあった街」を見つけるための下見 というわけで、とある平日の夜、仕事帰りの彼と待ち合わせた。指定された場所は「蔵前」。東京・台東区の下町で、最近はスカイツリーのおひざ元として注目度が高い。 本日はこのあたりに宿をとっているというヤド