「美徳の不幸」http://d.hatena.ne.jp/t-kawase/20060725/p1さんで紹介されていたので 内田樹『私家版・ユダヤ文化論』文春新書 を読む。深い内容である。「ユダヤ陰謀論」の本ではない。「『ユダヤ人迫害には理由がある』と思っている人間がいることには何らかの理由がある、その理由は何か」についての本である。読んでいる間に一度紛失して購入しなおして読了した。 1 内容 1-1 「ユダヤ人迫害には理由がある」と思っている人間がいることには何らかの理由がある、その理由は何か 私〔内田樹〕が本書で論じたのは、「なぜ、ユダヤ人は迫害されるのか」という問題である。(6p) 私には問題の次数を一つ繰り上げることしか思いつかない。〔略〕「ユダヤ人迫害には理由がある」と思っている人間がいることには何らかの理由がある、その理由は何か、というふうに問題を書き換えることである。 「反ユ