来年10月から消費税の新たな仕組み「インボイス制度(適格請求書等保存方式)」が始まる。適正な納税を促す制度だが、開始まで1年を切った中、いまだ小規模事業者を中心に経営圧迫を懸念する声もあがる。なぜこうした事態になっているのか。 来年10月から消費税の新たな仕組み「インボイス制度(適格請求書等保存方式)」が始まる。名称こそ「2022ユーキャン新語・流行語大賞」の候補に選ばれたが、中身の理解は進まず、適用を受けるために必要な事業者の登録も順調とはいえない。適正な納税を促す制度だが、開始まで1年を切った中、いまだ小規模事業者を中心に経営圧迫を懸念する声もあがる。なぜこうした事態になっているのか。 制度の前提にあるのが「仕入れ税額控除」という仕組みだ。例えば本1冊を1100円(千円+税)で売れば、売り手は消費税分を国に納める必要がある。しかし、その本を440円(400円+税)で別の企業から仕入れた