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ブックマーク / realsound.jp (5)

  • ロシアの分断に抗う文学「心の故郷」のあたたかさを 奈倉有里『夕暮れに夜明けの歌を』書評

    『夕暮れに夜明けの歌を 文学を探しにロシアに行く』(イースト・プレス)は、高校卒業後に単身ロシアにわたり、日人としてはじめてロシア国立ゴーリキー文学大学を卒業した文学研究者・奈倉有里さんによる随筆集だ。2002年から2008年のロシア滞在で交流を得た教師と学友たちとの思い出や、その後しだいに分断と言論統制が進んでいくロシアの姿を、かつて抑圧に立ち向かった作家たちの言葉を引きながら綴っていく。 その語り口は穏やかでありつつものびやかで、誠実につむがれた一語一句は、ページをめくるたびに読者の心へじんわりと染みわたってくる。そして、書は言葉の尊さをたしかなかたちで感じさせると同時に、人の奥底にある「心の故郷」とも呼ぶべき存在について、多くの示唆を与えてくれる一冊でもある。 「心の故郷」の感覚 筆者自身は残念ながら、これまでロシアを訪れたことはない。しかし不思議と、書を読むとちょうど自身にも

    ロシアの分断に抗う文学「心の故郷」のあたたかさを 奈倉有里『夕暮れに夜明けの歌を』書評
  • 稲垣吾郎、二階堂ふみについて「衝撃を覚えました」 映画『ばるぼら』製作発表で互いの演技語る

    11月20日、帝国ホテル内で開催された手塚治虫生誕90周年記念会にて、稲垣吾郎が主演を務める、来年公開の映画『ばるぼら』の製作発表会見が行われた。 作は、手塚治虫生誕90周年を記念し、“映像化不可能”と言われた手塚治虫原作の同名漫画を実写化。禁断の愛とミステリー、芸術とエロス、スキャンダル、オカルティズムなど、様々なタブーに挑戦した問題作となっている。手塚治虫の実子であり『白痴』『ブラックキス』などで知られる手塚眞がメガホンをとり、ウォン・カーウァイ監督作品等の映像美で知られるクリストファー・ドイルが撮影監督を担当する。異常性欲に悩まされている売れっ子耽美派小説家である主人公・美倉洋介を稲垣吾郎が、自堕落な性格のフーテン女・ばるぼらを二階堂ふみが演じる。 会見では、まずはイギリスのディレクターがこの日のために作ったという1分44秒の予告編が上映された。 予告編公開後、稲垣、二階堂、手塚監

    稲垣吾郎、二階堂ふみについて「衝撃を覚えました」 映画『ばるぼら』製作発表で互いの演技語る
    kabutomutsu
    kabutomutsu 2018/11/21
    このポスター衝撃的なくらいダサいなあ
  • 何が少女を殺したのか? 『ウインド・リバー』が突き付けるアメリカ先住民・保留地の壮絶な実態

    物語の中盤、彼女の「死因」をめぐって一つの論争が起こる。彼女が死んだのは自然のせいなのか、それとも人間のせいなのか。雪原で生き絶えた彼女は誰かに殺されたのか、それともあまりの寒さのせいで死に至ったのか。 死因が人間である、つまり「殺人」であることさえ科学的に立証できれば、アメリカ連邦捜査局、つまりFBIが積極的に動くことができる。しかし、そうでなければ連邦政府のインディアン局(BIA)の管轄となり、実際に動くのはウインド・リバー保留地の部族警察だけになってしまう。彼らは広大な土地をあまりにも少ない人数(作では6人とされている)でカバーしており、真相究明はほぼ不可能になる。 自然のせいなのか、人間のせいなのか。誰のせいなのか、何のせいなのか。その「真相」は闇へと消えてしまうのか。しかし、この問いは単に監察医の科学的判断にだけ関わる話ではない。 ウインド・リバーで人が死ぬ。ウインド・リバーで

    何が少女を殺したのか? 『ウインド・リバー』が突き付けるアメリカ先住民・保留地の壮絶な実態
  • タミヤ「ムカデロボット」、なぜセンサー無しで障害物をさける? 機構を再現する“模型”の面白さ

    今年も開催された、第57回 静岡ホビーショー(5月10日〜13日)。その会場の片隅で、一風変わったキットが発表された。タミヤの"楽しい工作シリーズ"の新作「ムカデロボット工作セット」がそれである。キットに含まれているのは全長40㎝ほどの、まさにムカデ型のロボット。クリアブルーの胴体からは内部の動力が見え、オレンジ色の脚を回転させて障害物を乗り越えつつ動く姿は、かなり実物のムカデに似た雰囲気が出ている。 このキットには元ネタがある。大阪大学の大須賀公一教授がロボット、そして生物の動作研究のために作った「i-CentiPot」がそれだ。市販のモーターなど手に入りやすい部品と単純な構造を持ちながら、まるで物のムカデのように動くロボットである。今、このロボットがキットになるということには、模型が元来持っていた「機構を再現する」という役割が絡んでいる。 i-CentiPotを開発した大須賀教授が研

    タミヤ「ムカデロボット」、なぜセンサー無しで障害物をさける? 機構を再現する“模型”の面白さ
    kabutomutsu
    kabutomutsu 2018/05/28
    "軟質素材でできた脚が、通れない障害物に対して勝手に「諦める」(…)このことから見えてくるのは、生物が自らの動きを制御するときに何に影響されているのかという点"
  • 小野寺系の『メアリと魔女の花』評:“ジブリの精神”は本当に受け継がれたのか?

    近年、新作を作る度の風物詩となっていた、宮崎駿監督の「長編引退宣言」。『風立ちぬ』完成時にも、人が「またかと思われるかもしれませんが、今回はマジです」と言いながら、その後また撤回されたわけだが、スタジオジブリの製作部門は、復帰宣言の前に当に解体されてしまった。 『魔女の宅急便』で動員数200万人を突破してから、安定的に大ヒット作品を連発、「ジブリブランド」を確立し、国内の劇場アニメのシェアを握ることになっていった、スタジオジブリと宮崎駿。スタジオ解体という状況のなかで、日の多くのアニメーションスタジオは、その王国に成り代わることを望み、アニメーション監督は、「ポスト宮崎」という玉座をねらう事態が起きている。 そこで注目されていたのが、スタジオポノックである。『思い出のマーニー』でコンビを組んだ西村義明プロデューサーと米林宏昌監督、従業員の8割がジブリの作品づくりに関わってきた人たちが

    小野寺系の『メアリと魔女の花』評:“ジブリの精神”は本当に受け継がれたのか?
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