クマの御霊を送る儀式「イオマンテ」。 i「それを」、oman「行く」、te「何々させる」というアイヌ語のイオマンテは、クマを「送り届ける」、「行かしめる」の意味を持ち、「クマ送り」、「クマの霊送り」とも呼ばれています。 かつてアイヌ民族の人々は、狩りでヒグマを仕留めた時、また、育てた仔グマを殺してその魂を故郷である神の国に送り届ける時に、クマの霊送りを行なっていました。一定の儀礼を行うことで、神々との良好な関係を保ち、再来を願うのです。 イオマンテの対象となる動物はヒグマだけに限りません。 シマフクロウ(コタンコロカムイ=集落の神)、エゾオオカミ(ホロケウカムイ=狩の神)、シャチ(レプンカムイ=沖の神)なども丁重に送られ、またイオマンテという言葉こそ使われませんが、クマゲラやエゾイタチ、狩猟の獲物となるエゾシカや魚についても、同様の儀式が行なわれていました。 門崎允昭・犬飼哲夫著『ヒグマ』
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く