名古屋市のIT機器大手「バッファロー」の牧寛之社長(43)が今春から、全国の美術館などに勤める学芸員の海外研修を支援している。現代美術の先進地を視察し、最新の動きを肌で感じてもらう。イタリアで開催中の芸術祭「ベネチア・ビエンナーレ」を中心に既に40人を派遣。学芸員の育成を助け、美術界を活性化させる珍しい取り組みだ。 (帯田祥尚)
オーストラリアで議論を呼んでいる女性専用の美術館展示が、差別禁止法に違反するという一審判決がこれを覆す判断を示した。このため、展示が間もなく再開される可能性が出てきた。 タスマニア州にある美術館「ミュージアム・オブ・オールド・アンド・ニュー・アート(MONA)」は2020年、男性の入場を禁止する「レディース・ラウンジ」を設置。男性の入館を禁止することで、歴史的なミソジニー(女性嫌悪)を浮き彫りにしようとしていた。 しかし、入場を断られた男性客の一人が、この展示は差別禁止法に違反しているとしてMONAを提訴。一審の裁判所は今年4月、美術館の主張を不当とし、男性の入場を認めるよう命じた。MONAはこれを受け、「レディース・ラウンジ」の一般公開が停止するとともに、控訴していた。
松岡正剛は、2024年8⽉12⽇(⽉)、東京都内病院にて肺炎のため逝去いたしました。⽣前のご厚誼に深謝し、謹んでお知らせ申し上げます。 通夜および葬儀は近親者のみにて執り⾏われましたので、訃報のご連絡も法要後とさせていただきました。何卒ご理解のほど、よろしくお願い申し上げます。 また、誠に勝⼿ながら、ご遺族の強い意向により、ご供花、ご供物、ご⾹典、ご弔電、ご弔問等は固くご辞退させていただきます。何卒よろしくお願い申し上げます。 記 故⼈⽒名:松岡 正剛(まつおか せいごう) ⽣年⽉⽇:1944(昭和19)年1⽉25⽇(享年80) 出⾝地:京都市 死亡⽇時:2024年8⽉12⽇ 午後1時53分 死因:肺炎 なお現時点で⽇時・場所等の詳細は未定ですが、後⽇「お別れの会」を予定しております。 <略歴> 編集⼯学者。編集⼯学研究所所⻑、イシス編集学校校⻑、⾓川武蔵野ミュージアム館⻑。 70 年代に
休館日:月曜休館、ただし9月16日、23日、10月14日、11月4日は開館し、9月17日、23日、10月15日、11月5日が休館 1920年代のフランスとアメリカは、第一次世界大戦後の好景気に沸き「狂騒の時代」と呼ばれる華やかな時代を迎えた。自動車や飛行機といった工業的なモティーフ、サーカスやキャバレーの喧騒、最新のファッションを身にまとうモダンガール・・・・・・アーティストたちの作品は、時代を賛美するものだった。 その一方でこの時代には、ドイツを中心に、戦争の惨禍を深く刻み込んだ作品や、享楽的な世相への皮肉、あるいは近代化に対する不安感を表現した作品も生まれた。事実、世界恐慌やファシズムの台頭によって平和な時代は10年ほどで終焉を迎え、1939年の第二次世界大戦勃発によってアートシーンは大きく揺さぶられることになる。 この展覧会では、第一次世界大戦と第二次世界大戦の間の約20年間に焦点を
大阪府の咲洲庁舎地下駐車場に、ビニールシートをかけられて置いてあった美術作品。問題発覚後、別の府有施設に移された=大阪市住之江区で2023年7月、山田夢留撮影 大阪府が所蔵する美術作品を地下駐車場に置くなど不適切に扱った問題で、府は25日、作品の活用や保全を検討する専門家チーム(座長、山梨俊夫・前国立国際美術館長)の最終報告を公表した。作品の継続的な管理のために府に新たな体制を整備し、現在は不在となっている学芸員を配置する必要性を指摘。地下に置かれていたものをはじめ劣化した作品については修復計画をつくり、必要な予算を継続的に確保するよう求めた。 最終報告では、府が咲洲(さきしま)庁舎(大阪市住之江区)の地下駐車場に6年間にわたり置いていた105点の作品について、昨年9月に暫定移管された府有施設ではなく、今後も安定して保管できる場所の確保を要求。作品を継続的に管理していくため、2025年度に
高知県立美術館(高知市)は12日、所蔵している油彩画、ハインリヒ・カンペンドンク作「少女と白鳥」(縦69センチ、横99・3センチ)に贋作(がんさく)の疑いがあると発表した。徳島県立近代美術館からの指摘で分かった。専門家に鑑定を依頼するなどして真贋を調査し、秋ごろに結果をまとめる予定だ。 カンペンドンク(1889~1957年)はドイツ表現主義を代表する作家。「少女と白鳥」は作品総目録に名前はあるが、画像は掲載されていなかった。高知県立美術館は1996年、ドイツの画商から富豪のコレクターに譲られたという来歴を確認し、名古屋市の画商から1800万円で購入した。同美術館で15回、館外貸し出しで3回展示された。 徳島県立近代美術館が、所蔵作品の一つに「天才贋作師」として有名なヴォルフガング・ベルトラッキ氏による偽物の疑いがあるとの情報を確認し、開催予定だった所蔵作品展での展示を取りやめると12日に発
千葉市の幕張メッセやアメリカの同時多発テロ事件の現場の跡地に建設された高層ビルなどの設計を手がけ、建築界のノーベル賞と言われる「プリツカー賞」を受賞した世界的な建築家、槇文彦さんが6月6日、老衰のため亡くなりました。95歳でした。 槇さんは1928年東京生まれで、東京大学工学部建築学科を卒業後、アメリカに渡ってハーバード大学大学院を修了し、1965年に日本に帰国して建築事務所を設立しました。 モダニズム建築や洗練された空間の創出が特徴で、千葉市の幕張メッセや東京・渋谷区の代官山ヒルサイドテラス、それに京都国立近代美術館など、多くの公共施設や商業施設の設計を手がけました。 また、海外でもアメリカの同時多発テロ事件が起きた現場の跡地に建設された「4ワールド・トレード・センター」の設計を手がけるなど活躍しました。 東京大学で教授を務め、海外でも講演を行うなど、長年、後進の育成にも力を入れました。
(文字数制限にかかるようなので、前後に分けて挙げます。) 前置き 第8回横浜トリエンナーレ「野草:いま、ここで生きてる」がこの土日で終わります。私も見に行って、なかなか面白く思いました。ところが友人によると、SNSでは批判の声が多いそうですね。あまりそういうものは見ないようにしているのですが、友人がその場で例を見せてくれたので、ついいくつか読んでしまいました。そのときの感想は、ひとことで言うと「批判者の言うことにもわかる点はある。でもキュレーターはそれなりによくやっていたと思うし、今回が最悪だとか、他の回に比べてどんどん悪くなっているとか、そんな気はしない」ということでした。そこで友人といろいろのことを話し合ったのですが、今はそれを思い出しながらこの文を書いています。 今回の展覧会には魯迅の『野草』という短編集が深く関わっていますが、魯迅は「おおむね、折にふれてのささやかな感想を述べたに過
愛知県北名古屋市の名古屋芸術大学で、今年度就任した來住(きし)尚彦学長からセクハラを受けたと複数の女子学生が訴え出ている問題などを、現役の学生が「現代アート」で表現した展覧会が6月5日まで、学内のギャラリーで開かれている。 問題をあいまいにしようとする大人たちに対し、学生が果敢に声を上げ、自らが学ぶ現代アートの形で問題提起しようという行動に私も注目し、開催5日目の6月4日に動画撮影を含めて取材しようと足を運んだ。 すると、大学側から「取材としては入らないでほしい」と言われ、展覧会そのものの記事化を禁じられた。 しかし、これは取材や発信を望む学生たちの表現の自由にも関わる大きな問題だ。表現を尊重すべき「芸術大学」で何が起こっているのか、大学側の言い分を含めてありのままにお伝えしたい。 【関連記事】 ・【独占インタビュー】作曲家・宮川彬良が憤り、語る「名古屋芸術大学」のセクハラ疑惑と学長選考問
フランスでは、日本人建築家が高い人気を誇り、数々のコンペティションを勝ち取っている。だが、日本の大規模プロジェクトでは、彼らの活躍の幅は意外にも狭く、個人や海外からの発注に逃げ場を見つけているという。そのことに気づいた仏紙記者が、日本の建築事情を深掘りする。 日本は「建築の国」なのだろうか。最近のニュースからすると、そう言えそうだ。2024年3月、日本人建築家の山本理顕がこの分野の最高の賞であるプリツカー賞を受賞した。日本でこの栄誉ある賞を受賞したのは山本が9人目で、これによって日本は建築分野を率いる存在になった。世界中が口々に日本のスター建築家を称えている。 特にフランスでは、日本人建築家の人気は高く、権威あるコンペティションをいくつも勝ち取っていて、象徴的な建造物を多く生み出している。たとえば妹島和世と西沢立衛による建築家ユニット、SANAAは「ルーヴル美術館ランス別館」(ついでに言え
【読売新聞】 博物館などで文化財を傷める虫やカビをガスで殺す「 燻蒸 ( くんじょう ) 」を行うことが、格段に難しくなる可能性が高まっている。国立博物館など全国の博物館で最も一般的に使われているガスの販売終了が決まったためだ。現在
ピナコテーク・デア・モデルネ美術館=2021年5月、ドイツ・ミュンヘン/Hannes Magerstaedt/Getty Images (CNN) 自分の作品を有名な美術館に飾るという夢をほんの一瞬実現したドイツ人の男がいた。 しかし、この野心ある芸術家の離れ業はかえって雇い主と、さらには警察との大問題を引き起こし、チャンスへの期待はわずか数時間で消え失せた。 独タブロイド紙「南ドイツ新聞」や独ミュンヘン警察によると、51歳の展示技術者で自称「フリーランス芸術家」は2月26日、ミュンヘンにあるピナコテーク・デア・モデルネ美術館に自分の絵画をこっそり持ち込み、展示室の壁に飾った。同美術館の展示物に新たに加わったこの作品を発見した警備員は、すぐにその絵画を撤去し、男は解雇された。 男は美術館に勤務していたため通常の開館時間外でも敷地内を出入りでき、自分の絵画を展示していることに気付く者はいなか
メキシコなどで活動した女性芸術家レオノーラ・キャリントンが描いた評価額5億円の絵画が、愛知県に住む個人から愛知県美術館に寄贈され、4月26日から公開されることになりました。 愛知県美術館に寄贈されたのは「シュルレアリスム」の芸術家として活動したレオノーラ・キャリントンが1946年ごろに制作した油彩画「ウルでの狩り」です。 古代メソポタミアの都市国家「ウル」を舞台にやりを持った生き物たちが巨大な角を持つ鹿を狩る様子が表現されていて、美術館によりますとこれまでは海外に住む個人が所有していたため公開されてこなかった作品だということです。 去年秋に愛知県内に住む個人から「絵画を購入して寄贈したい」と申し出があり、美術館が希望した数点の中から、この作品を購入し寄贈してもらったということです。 評価額は5億円で、愛知県美術館の所蔵品としては4番目に高額な作品だということです。 愛知県美術館は「女性作家
建築家・山本理顕(りけん)。 建築に携わり、建築を学んだことがあれば、その名を知らない人は少ないだろう。 設計を手掛けた「横須賀美術館」や「埼玉県立大学」といった代表作はもちろん、建築家の地位向上や設計者選定の制度確立などのためには訴訟も辞さないほど徹底的に闘うことで知られる。 山本理顕の代表作の一つである埼玉県立大学(©山本理顕設計工場) そんな山本が名古屋で学校法人を相手に2年余りに渡る裁判を争い、未払いだった設計料約5400万円を取り戻す裁判で昨年10月に勝訴。事実上解任させられた学長職の地位を巡る裁判では昨年末に和解に至り、再び学長に復帰できる見通しとなった。 「大学教育の危機と、建築家の役割や職能性を考えたときに、問題提起せざるを得なかった」という山本は、裁判を通じて何を訴えようとしたのか。その顛末をまとめた。(文中敬称略) 名古屋の学校法人が新キャンパスの設計と学長就任を依頼
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