疑似科学入門 (岩波新書)作者: 池内了出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2008/04メディア: 新書 まず池内了著『疑似科学入門』(2008年、岩波新書)に関してコメント。 総じて、言葉の使い方がゆるすぎ、論証のレベルが浅すぎ、「科学」に対する己の信念を疑わなすぎ。これらに共通する原因は、おそらく、著者に「科学哲学」の知見への理解が皆無であることだと思う。 疑似科学を三つの種類に分類しているが、この分類方法は完全に失敗している。第1種:占い、超能力、スピリチュアル、心霊主義など第2種:「科学的効果」を売り物にするビジネス(健康食品など)第3種:<複雑系>の科学現象を全否定・全肯定する言説(地球温暖化否定論など) 第1種と第2種の区別も問題含みなのだがここではおいておき、第3種「<複雑系>を単純に捉える」タイプの「疑似科学」に話を絞る。このタイプを「疑似科学」と見なすことは問題