村上春樹の入門として何がおすすめなのかということを考えていきます。実はドストエフスキーについてを途中まで書いていたのですが、朝日新聞「平成の30冊」で、村上春樹の『1Q84』が一位に選ばれたので、こちらを先に書くことにしました。時事性のあるネタを先にやってしまおうという魂胆です。前に森見登美彦の記事を書いたのですが、これと同じような形でやっていこうと思います。 ・村上春樹の強み 人によって意見は色々あるかもしれませんが、個人的には①洒脱な世界観②平易な文章③メタファー構築能力、の三つです。一つ一つ解説していくと長くなるのでここでは省きます。多分Wikipediaやブログを漁ってみれば詳しい説明などが出てくるはずです。ともかく村上文学の特徴はこの三つが大きいと思います。 ・村上春樹を理解する大まかな流れ 初期の作品はなるべく匿名性にこだわった都市の物語を書いており、『1973年のピンボール』