【読売新聞】 中国では今年、外国人が被害に遭う襲撃事件が相次いでいる。広東省深圳市で、日本人学校に登校中だった男子児童(10)が中国人の男(44)に刺されて死亡した事件が起きた18日は、満州事変の発端となった「柳条湖事件」(1931
中国人の店員がいる飲食店で食事をすると、まるで怒っているかのような無愛想に注文をとり、できた食事を無言で乱暴に置いていかれることがある。日本の「おもてなし」精神に慣れていると驚くが、これも「本場のサービス」と言い聞かせてぐっとガマン。ところが最近、中国の接客サービスが激変したというのだ。中国でいったい何が起こっているのか? 上海在住のコラムニスト、田中信彦さんにリポートしてもらった。 中国で驚きの「サービス革命」 中国の接客サービスというと、「お釣りを投げてよこす」「店員がロクに返事もしない」「売り込みがしつこい」など、日本では良いイメージがないかもしれない。確かにかつての中国はそうだった。しかし、いま中国の現場では「サービス革命」と言ってもいいほどの激変が起きている。全体としてはまだ日本との差はあるが、日常的に実感するサービスレベルの向上はすさまじく、「これが昔と同じ中国人か」と驚くこと
イメージと戦後処理から 謎めいた指導者像に迫る 中華人民共和国建国の功労者、毛沢東。文化大革命で神格化され、中国共産党が多くの一次史料を独占的に管理しているため、その人物像についてはいまだに不明な点が多い。このような中で、果敢に実像に迫る著作が相次いで出版された。 一冊目は、毛沢東の初期イメージを解明した石川禎浩氏の研究書。1920~30年代の中国共産党は、国民党政権から弾圧されていた時期が長く、指導者たちの人物像は謎のベールに包まれていた。そのため、各国の政府、ジャーナリストやコミンテルンは、その実態を必死に探っていた。本書は、毛沢東に関する情報が誰に、どのようにして把握、報道され、彼のイメージがどのように形成されていったのかを、多数の写真とともに検討している。大変読みやすく、中国共産党史の入門書としても好適である。 毛沢東への直接取材に基づいて刊行され、世界的なベストセラーとなったルポ
韓国・ 釜山 ( プサン ) の日本総領事館前に昨年12月末、慰安婦を象徴する少女像が設置された。日本政府は少女像の撤去を求め、駐韓大使を一時帰国させるなど強く抗議。それに反発する韓国との対立が深まっている。2015年12月の日韓合意で、慰安婦問題の「最終的かつ不可逆的な解決」が確認された。釜山の少女像については、在日本大韓民国民団(韓国民団)の団長も撤去を求めている。なぜ、韓国は国と国との合意を守らないのか。そして、その韓国とどう向き合うべきかを新潟県立大学の浅羽祐樹教授に解説してもらった。 大統領の職務停止でリーダー不在に ソウルの日本大使館の前に少女像が設置されたのは11年12月14日である。それから5年がたったが、撤去されるどころか、釜山の総領事館前にも新たに設置された。こうした事態を生んだ韓国側の事情を4点、指摘したい。 第一に、日韓合意を結んだ当事者である朴槿恵(パククネ)大統
コンピューターで人間の頭脳を代替する人工知能(AI)の研究競争が世界で 熾烈 ( しれつ ) さを増してきた。中でも中国の伸長が著しく、AIで東京大学合格をめざす日本のプロジェクトを模倣した中国版「難関大学突破プロジェクト」も始まった。産業応用を狙うと言い、技術交流を日本側に持ちかけてきた。中国側の狙いはどこにあるのか。日本側のプロジェクト・ディレクターである新井紀子・国立情報学研究所(NII)教授に寄稿してもらった。 *新井教授の横顔は こちら 1980年代初頭に茨城県つくば市を訪れたことがある。研究機関らしい巨大なビルが点在する広大な空き地の上を、建設作業車が土埃(ぼこり)を上げて雑草をなぎ倒して行く。あの頃のつくば市によく似ている。それが私の中国・合肥の第一印象である。 私は2015年7月、合肥にある「iFLYTEK」(アイフライテック;科大迅飛)という新興IT企業で開催される“中国
前回は、大学で学ぶ内容が必ずしもキャリアと一致する必要はないと述べました。今回は、教養教育への批判がいかに不毛なものであるかを考えたいと思います。 文学部に近いところでは、かつて日本の大学には一般教養課程というものがありました。 専門知識が身につかない、ということで1980年代に批判され、1991年、大学設置基準の大綱化で廃止されます。 東京大は教養課程を残し、現在に至っていますが、その他の大学はほぼ廃止。これで専門教育が展開できて良かった良かった……、とはなりませんでした。文部科学省大学審議会答申「グローバル化時代に求められる高等教育の在り方について」(2000年)では、次のような指摘があります。 大学設置基準等の大綱化以来、多くの大学でカリキュラム改革が進んでいるにもかかわらず、教養教育の取扱い方についての学内の議論が十分でなく、教養教育が軽視されているのではないか、あるいは、このよう
初回では、ちまたで言われるほど文学部の就職は不利ではなく、根拠のない説だということを述べました。 今回は、キャリア教育が万能なのか、そこから考えましょう。 キャリア教育の弊害。それは、やたらと、「夢を決めましょう。そのための大学(学校)に進学しましょう」と煽(あお)りまくることです。 これを専門用語でキャリアアンカーと言います。目標を決めて、そのための大学に進学する、実現のために頑張っていく、という手法は確かに有効です。 ただ、これが行き過ぎた結果、現在の高校生はやたらと専門職を志向するようになりました。看護師や理学療法士などを目指す医療系学部が人気であるのは、このキャリア教育が影響しています。 専門職を志向している学生からすれば、キャリアアンカーの考え方が普通、と考えています。そのため、発言小町に投稿した文学部生のような「大学進学時点で職業についての目的意識はなく、なんとなくマスコミとか
大学ジャーナリスト・石渡嶺司 「文学部? あの役立たず学部だよね?」 文学部なんぞは古くさいし、世間一般で役にも立たない。 源氏物語の研究? フランス文学の研究? ふーん、それはうちの会社の業務と何が関係あるの? 関係なんか、何もないでしょ、ねえ? そもそもさあ、少しは社会に出てから役立つことを勉強してくれていないと、うちでも他社でも困るんだよね。 やだやだ、文学部なんか。 とまあ、採用担当者が言ったかどうかは知りませんが、文学部が叩(たた)かれまくっています。 1879年、東京帝国大学(現・東京大学)が学士を定めたときに文学士は入っています(他は法学士、理学士、医学士、製薬士)。 伝統もあり、教育内容も広いはずなのですが、なぜか評判がよろしくありません。 文学部の有用性が疑問視され、2014年8月に国立大学法人評価委員会が「『国立大学法人の組織及び業務全般の見直しに関する視点』について(
文民の方が軍よりも好戦的な例について考察した『シビリアンの戦争』(岩波書店)で注目を集める国際政治学者が、初めて一般向けに書籍を刊行した。 人々が政治リテラシー(理解力)を身につける一助にしてほしいと、昨年から続けるブログをもとにまとめた。かつて政治学者の丸山真男は、時事評論的な仕事を“夜店”と称したが、自身もまた夜店を重視する。「学問的にどんなにいいものを作ったとしても、自己満足で終わってはいけない。公衆を説得し、世の中を変えなければ」 野党再編や沖縄、靖国、ロシアなど多岐にわたる政治問題について解説し、左右問わずに問題点を指摘。きれい事だけではどうにもならない、だが理想を失ってもいけない政治の世界の本質を提示しながら、バランス感覚の重要性を訴えた。さらに、政治の変化を促すメッセージも込めた。 根底を貫くのは、弱い立場への共感だ。「論壇の世界に最も足りないものは、共感」。そう語り、左に対
イラク、シリアで領域拡大を図って戦闘を続けているイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」。世界各地から多くの戦闘員がイスラム国に参加しているという現実に世界の注目が集まる。3万人ともいわれる兵士の約半分は世界各地からの義勇兵が占め、中には西欧・米国から加わった者もいる。なぜ世界の若者たちはイスラム国に向かうのか。イスラム政治思想の研究者である池内恵・東京大学准教授に聞いた。(聞き手・読売新聞東京本社調査研究本部研究員 時田英之) イスラム国に外国からの戦闘員が流入しているのはなぜか。この問題を理解するためには、まずイスラム国の唱える「グローバル・ジハード」の理念や歴史を知らねばならない。 そもそもイスラム教徒は、自らが神と一対一の関係で結ばれており、一人一人が神の命令に従って義務を果たす責任を負っていると考える。つまり、世界のどこにいても、国家や民族を超えた一つのイスラム共同体に帰属してい
【北京=幸内康】日産自動車の中国合弁会社「東風日産乗用車」は18日、反日デモなどで車が破壊されたりけがを負ったりした顧客に対し、修理費と治療費を全額補償する新サービスを発表した。 他の日系メーカーでは販売店が個別に同様の対応をしているケースがあるが、制度化を発表したのは日産が初めてだ。 日本政府による沖縄県尖閣諸島の国有化以後、中国国内で発生した反日デモでは、多くの日本車が破壊された。これを受け、中国の消費者の間では日本車を買い控える動きが出ている。 東風日産はデモで被害を受けた顧客に対して個別に補償をしてきたが、制度化することで顧客に安心感を与え、販売回復につなげたい考えだ。 東風日産の乗用車販売台数は、9月は前年同月に比べて44・2%減だった。
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く