岐阜市が4月に公表した、絶滅の恐れがある動植物を一覧にした「市版レッドリスト」に「アユ(天然)」が選定され、漁業関係者との間で摩擦が生じている。漁協によると、釣りファンから「アユ釣りは今年できるのか」との問い合わせが相次ぐが、「アユの漁獲はむしろ増加傾向」。背景には「天然」の定義の食い違いもあり、議論はかみ合いそうもない。 市版レッドリストは、大学教授らでつくる委員会が実地調査を基に選定。市内に生息する動植物を絶滅の危険度で5段階に分類し、401種を選んだ。 アユは、海から自力で遡上(そじょう)する個体を「天然」と定義した。長良川のアユの漁獲量はピークだった1994年の1029トンから、2004年には180トンと6分の1近くにまで激減。漁業関係者が受精卵のついた植物の葉を、長良川河口堰(ぜき)付近で川とつながった人工池に運び、ふ化した稚魚が海に下るのを手助けするなど、人の手をかけないと天然