内戦下のシリアで3年4カ月にわたり、イスラム過激派組織に拘束されていたフリージャーナリストの安田純平さんが解放され、帰国した。 行方不明になったのは15年6月。翌年、安田さんとみられる男性が助けを求める動画がインターネット上に投稿され、安否が心配されていた。 独房で24時間身動きできず、寝ている間に体が動いてもいけない。解放後に安田さんが語った拘束の厳しさは、想像を絶する。無事に戻れたことを、心から喜びたい。 紛争地に入り、そこに生きる人びとの声を報じるのはジャーナリストの重要な責務である。ミサイルや銃弾が飛び交い、子どもらまでもが傷つく戦争の悲惨な現実を、第三者の立場から公正に伝える。そのために、各国の記者は使命感をもって危険な取材にあたっている。 報道だけではない。人道支援にあたる国際機関やNPOのメンバーも、現地で苦しむ人々を支えようと活動を続けている。 自らの安全は自ら守るのが原則