日本の歴史教科書は、海外から指摘されるように愛国主義的なのだろうか。しかし、日本、中国、韓国、台湾、米国の歴史教科書を徹底比較したスタンフォード大学の「分断された記憶と和解」プロジェクトによれば、そうした一般的な見方には根拠がないという。 日本の歴史教科書とその戦争記述は過去30年間、ずっと国際社会の論争の的になってきた。日本の歴史教科書に批判的な日本国内外の人々に言わせれば、日本の教科書はアジア太平洋戦争の開戦に対する日本の責任や、日本軍がアジアの占領地にもたらした苦難、連合国との戦闘中に行った犯罪行為への認識が欠けている。日本の教育当局が、検定によって学校で使用できる教科書を決定し、教科書の内容や表現を改めさせていることが、日本の愛国主義的傾向を示す証拠だという。最も重要なのは、日本の教科書が自国の過去について若い世代に正しく教えていないと見られている点である。 こうした見方に実体が伴