女性受刑者が出産する際には手錠を外すという国の通達に反し、手錠のまま出産したケースが2014~22年に6件あったことが判明した。小泉龍司法相が8日の衆院予算委員会で、立憲民主党の源馬謙太郎氏の質問に答えた。ただ、以前から、人権団体は「通達後も守られていないのでは」と指摘していた。女性受刑者の人権に対する意識が欠けていないだろうか。(森本智之)
群馬県桐生市が生活保護利用者の50代男性に対し、原則として1日1000円しか支給しなかった問題を巡り、別の50代男性も今年6~10月に週払いで分割支給を受け、1カ月当たりの総額は支給決定額の半分程度にとどまっていたことが分かった。2人を支援する仲道宗弘司法書士は「最低限度の生活を侵害する運用が、日常的だった可能性がある」と指摘した。 仲道氏によると、新たに判明した男性は病気で就労困難となり、5月26日に月額約7万1000円の支給が決まった。しかし、桐生市は金銭管理のため家計簿を付けるよう指導した上で、支給は週に1回1万円程度。6月は約3万1000円、8月は4万1000円など決定額の半分程度にとどまった。
第2次世界大戦中、10万人を超す死者を出しながら、海外ではあまり目を向けられない東京大空襲を取り上げたノンフィクションが、米国でベストセラーになった。「ボマーマフィアと東京大空襲」(光文社、桜井祐子訳)。著者で人気作家のマルコム・グラッドウェルさん(58)はなぜ、大空襲を主題にしたのか。何を学ぶべきだと考えているのか。オンラインでインタビューした。(北川成史) Malcolm Gladwell ノンフィクション作家・ジャーナリスト。英国生まれで、カナダで育ち、米ニューヨーク在住。ワシントン・ポスト紙の記者を経て『第1感』『天才!』などの国際的ベストセラーを著した。米誌タイムの「世界で最も影響力のある100人」にも選ばれている。
9年前の年末、東京都内のとある公園でホームレスの女性が亡くなった。ブルーシートのテントに残されていたのは30冊以上のノート。極貧下、理不尽な暴力にさらされながらも、自分らしく生きた日々が記録されていた。有志の女性たちが文章を書き起こし、出版を目指している。(中村真暁)
日本学術会議が推薦した候補者6人の任命を菅義偉首相が拒否した問題をめぐり、学術会議に関して誤った情報が、著名人や記者らによって次々とインターネットやTVを通じて発信され、あたかも事実のようにとらえられて拡散している。専門家は「発信者側が正確な情報を事実に基づき発信するよう努力するとともに、受け取り側も真偽を見極める力をつけていく必要がある」と指摘する。(望月衣塑子)
トップ > Chunichi/Tokyo Bookweb > 書く人 > 記事一覧 > 記事 【書く人】 「移民の時代」すでに 『ふたつの日本 「移民国家」の建前と現実』 ウェブマガジン編集長・望月優大(ひろき)さん(33) Tweet 2019年4月7日 今こんな本が読みたい、と望んでいた一冊が出た。 一日に改正入管難民法が施行され、五年で三十四万人超の外国人労働者を受け入れるという在留資格「特定技能」が新設されたばかり。今後、日本はどうなっていくのか。 「執筆のために統計を調べて一番衝撃的だったのは、永住権を持つ人がものすごく増えて、百万人を超えていること。政府が『移民』を否定しているのとは逆の事実が起きています」 一九八八(昭和六十三)年に約九十四万人だった在留外国人は、昨年六月末時点で約二百六十三万人と三十年で約三倍に増加。さらに日本国籍を取得した人などを加えれば「移民」は四百万人
「日本の文学は、政治的社会的なことよりも個人的なことを重視する傾向が強いですよね。個人の内面の自由を守ることは大事ですが、その中に閉じこもってしまうと、暴力や差別があっても『自分に関係なければいいや』ということになってしまう。文学は外に出ないとまずいのではないかという思いがあります。自分の外という意味と、文学の業界が『これが文学だ』と思う標準から外に出るということです」 作家星野智幸さん(51)の自選作品集『星野智幸コレクション』(全四巻)が人文書院から刊行中だ。編集者が「未来を見据えて書かれてきた作品の内容に、現実が近づいてきた。今こそ読まれるべきだ」と発案し、二〇一〇年までの代表作や単行本未収録作などを、テーマ別に分類した。「政治」「家族」を扱った第一、二巻が刊行済みで、今月下旬に「自殺」と「移民」の第三、四巻が出る。硬派なテーマを題材にする作品群は、日本の純文学の世界では強い存在感を
トップ > 特集・連載 > 言わねばならないこと > 記事一覧 > 記事 【言わねばならないこと】 (82)大本営発表を教訓に 近現代史家・辻田真佐憲さん Tweet 2016年12月8日 日本軍が米ハワイの真珠湾を奇襲攻撃し、太平洋戦争が始まってから八日で七十五年。「勝った」「勝った」と国民を欺き続けた戦時中の「大本営発表」は、日本のメディア史で最悪の出来事だった。新聞が軍の動向をきちんとチェックしていれば、国民はそれを知ることができたし、軍もいいかげんなことはできなかった。最後の防波堤が壊れてしまった。 軍の存在感が高まったきっかけは一九三一年の満州事変だった。陸軍に批判的な論調だった新聞各紙は、スクープをものにしたいために協力に転じた。戦争に便乗すれば新聞は売れた。軍は機密費で記者を接待するなど、一体化が進み、大本営は敗戦まで、でたらめな発表を繰り返した。 大本営は太平洋戦争で連合国
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く