そんな訳で、前回、前々回のエントリでは 『英語にも主語はなかった 日本語文法から言語千年史へ』金谷武洋(2004 講談社選書メチエ) という本の1ページだけを読んで頭に血が上って批判を書いたのだが、連休でつい全部読んでしまった。1ページだけ読んで批判するのはいくらそのページの内容がひどくてもあんまりなので他のところも批判できるから読めてよかったとしよう。 いつも言うように専門的な批判はできない。以下に書くことは言語学の知識とはちょっとしか関係がない。勿論いい加減なことを書いてもまけといてくれというのではなく、不正確な点や誤りなどがあればご指摘ご批判は歓迎します。 本書の狙いは、よく喧伝される「日本語特殊言語論」への反論である。また、同時に「英語標準言語主義」に対して警鐘を鳴らしたいと思う。(p.8) 結構な志である。楽しみにして読み進めたのだが、読んでも読んでも「日本語特殊言語論」への反論