戦後を代表するリベラル派知識人、丸山眞男(1914~96年)の蔵書や手稿類を所蔵している東京女子大学丸山眞男文庫が、これまで非公開だった手稿類などを来年度中に公開することになった。「メモ魔」として知られた丸山だけに、丸山思想を考える上で貴重な資料も多数あるとみられ、今後の丸山研究に弾みがつきそうだ。 同文庫は、図書館の充実に役立ててほしいという丸山の遺志を踏まえ、東京・杉並区の同大が、98年に図書1万8500冊や手稿類5000点の寄贈を受けて創設。図書の約7割は既に利用可能になっているが、書き込みのある図書や手稿類については、松沢弘陽(ひろあき)・北大名誉教授、平石直昭・東大名誉教授ら、丸山門下の研究者を中心に整理作業を続けてきた。 これらの資料は「誰でもが公平に利用できるよう、きちんと整理が終わるまではと、なしくずし的な利用を認めてこなかった」(平石氏)が、図書への書き込み部分のデジタル