中国地方を中心に甚大な被害をもたらした西日本豪雨から、この7月で1年が経った。 豪雨災害による鉄道の不通は、地域の通勤・通学に大きな影響を及ぼした。中でも広島市と呉市の間、約30kmは移動の需要が多く、鉄道が復旧するまでの交通の確保にさまざまな工夫が行われた。その中で交通関係者の注目を集めたのが、通行止めとなった自動車専用道路を活用したバス輸送システム「災害時BRT」だ。 今後の日本の公共交通における災害対策はどうあるべきか、広島―呉間の災害時BRTを例として関係者のインタビューを交えながら考えていきたい。 通常50分のバスが3時間半 広島県の地質は花崗岩が多く、風化すると雨でもろくなりやすい「まさ土」となる。そのため土砂災害が起こりやすい。2018年7月の西日本豪雨では、県内で土砂災害が1200カ所以上発生した。