ドローンと明確に差別化 新明和工業は電動やエンジンで飛ぶ無人航空機の事業化に挑む。無人飛行体では近年、垂直プロペラの飛行ロボット(ドローン)が急速に市場を席巻した。しかし、同社は有人機より高く飛行し重量物も積める無人機などで、新たな市場の創出を目指す。試験飛行を重ね用途も探索し、5年後に実用化の域へ達したい考えだ。 新明和工業が無人航空機のプロジェクトを始めたのは、2015年にさかのぼる。同社は海上自衛隊の救難飛行艇メーカーだが、改良が中心となり主な技術開発を終えた時期だった。航空機造りの技能を若手に伝承するには国頼みでなく、民間の新型機も絶えず開発する必要がある。こうした危機感から着目したのが、無人航空機だった。航空機事業部の小松聡技術部副部長は「新型機を経験していない若手が増えてきたので、研究を始めようとなった。3年間は、新明和ならばこういう航空機だよねと議論し、実証モデルを製作した」