最後は番外編です。 「仕掛物」が収録されている、井原西鶴『本朝桜陰比事』(元禄二[一六八九]年刊)と日本の推理小説作家(探偵小説作家)とのかかわりをちょっとだけ。 『怪人二十面相』や『少年探偵団』シリーズでおなじみの江戸川乱歩《えどがわらんぽ》は、『本朝桜陰比事』のオリジナルを所蔵していました。 ※江戸川乱歩邸に行った時の写真。 ameblo.jp 残念ながら乱歩は『本朝桜陰比事』については『原始法医学書と探偵小説』(昭和二十六年発表)というエッセーでほんの少し触れている程度です。 ※『原始法医学書と探偵小説』が収録されている書籍。 www.aozora.gr.jp ただ、乱歩の『お勢《せい》登場』(大正十五年発表)という話に長持が登場します。www.aozora.gr.jp 長持は昔の家によくあった、衣類などを収めた蓋がついた長方形の大きな木箱です。 お勢の旦那さんは子供とのかくれんぼで