何はともあれ、開通の日に乗るしかなかった――東京メトロの地下鉄13号線「副都心線」には。とうとう池袋、新宿、渋谷を、何食わぬ顔でつないでしまったのだから。急行を使えば池袋―渋谷が11分。新宿―渋谷は直結5分となると、これはもう限りなく��瞬間移動�≠ノ近い感覚だ[1]。 きのうまでは、のどかな昼下がりだった。宮益坂が明治通に流れ込むあたりで、地下への階段を降りると、半蔵門線ホームの東の端がまどろんでいるだけだった。一夜明けると、地下は真昼。“にわか鉄ちゃん”となった老若男女が、吹き抜けの天井やブラウンの帯をまとった電車にデジカメを向け、一気に広がった地下通路には遠来の見物客がひしめく。 初体験の車両は新宿三丁目までの間、明治神宮前、北参道の両駅で2度とも停止位置がずれ、乗客をつんのめらせながらホームドアまで後退した。また、東武線と西武線が複雑に乗り入れている関係で、大幅な遅れや混乱が生じ[