三陸鉄道は16日、台風19号の豪雨で不通となっていたリアス線陸中山田―津軽石間(17・3キロ)で、運行を再開した。これで全区間の6割で列車が再び走るようになった。三鉄の中村一郎社長は、残る不通区間のうち田野畑―久慈間(35・4キロ)を先に復旧させ、3月20日までに釜石―陸中山田間(28・9キロ)を再開させたいという意向を示した。 「ありがとう まってたよ」の横断幕が掲げられた陸中山田駅では、午前11時43分着の上り列車が入ってくると、幼稚園と保育園の子どもや住民が小旗や大漁旗を振って歓迎した。列車から降りた人たちには、三陸やまだ漁協女性部による特産のカキ汁が振る舞われた。 同町飯岡の湊順子さん(51)は「町に列車が走るようになってうれしい。災害に強い鉄道になってくれればもっとうれしい」と祝福した。中村社長は「みなさんのおかげで運行を再開できた。今後も安全で安心な住民の足として利用してほしい