住民の散策路として重宝されてきた千葉県長生村の一宮川に架かる名前のない橋が、今夏にも撤去されることになった。河川改修工事の障害となるためだが、工事後に架け替えられる予定はない。実はこの橋、いつ誰が何のために作り、今は誰が管理しているのか分からないのだという。【金沢衛】 長さ約48メートル、幅約2メートル。川底に打ち込まれた2本の橋脚に支えられた橋桁は鉄骨コンクリートで、鉄製の欄干が付いている。一般的な橋であれば親柱にあるはずの橋名や落成年の記載などがない。左岸は村道につながるが、右岸は長生郡市環境衛生センターごみ処理場の敷地で行き止まりになる。 同所は改修工事で左岸を削る工事が行われるため、県一宮川改修事務所が管理者を調べた。ところが、県の台帳や河川占用の届けなど記録は見当たらなかった。関係自治体や近隣の企業などにも照会したが所有者は分からない。同事務所は今年3月、関係自治体などから橋の撤