山形県北部を走るJR陸羽西線(新庄-余目駅間、43キロ)が、並行する国道トンネル工事のため約2年間の全線運休に入ったことについて、山形県の吉村美栄子知事は18日の定例記者会見で「廃線につながるのではないかと危機感を持たざるを得ない」と訴え、JR側に路線の存続を求める意向を示した。 同線は少子化などにより、2020年度の1日当たりの平均乗降客数が163人と1987年度の7%まで激減。「運行困難」の目安とされる2000人を大きく割り込んでいる。JRは運休に伴い代行バスを運行しているが、沿線住民からは工事終了後の運行再開を不安視する声が上がっている。 吉村知事は「県民の利便性は大変重要。市町村と共に廃線に向かわないように(JR側に)申し上げていきたい」と強調。地元自治体と連携し、沿線の活性化による利用拡大に意欲を見せた。