「ちょうどタバコを吸った生徒がいて出場停止中でした。朝練習でのタバコは当たり前、カンニングも頻出でした。生活指導の先生からは『サッカー部員がいなくなれば、良い学校になるのに』と言われました」 そんな状態から畑は、選手たちが自主的に動き出すのを我慢強く待った。最初の数カ月間は、グラウンドに出るより部室周りを率先して片づけた。「綺麗にしなさいよ」と命じるのは簡単だ。実際に監督が厳しく躾けることで整理整頓が出来ている強豪校は少なくない。しかし畑はそれでは意味がないと考えていた。 「厳しく強要された行為には、思考が伴っていません。トップダウンに【指示、命令、思考停止】というキーワードがあるとすれば、ボトムアップは【任せる、認める、考えさせる】です。主体的、創造的、積極的に行動していくのが特徴で、結果は同じでも5年後10年後に大きな違いとなって表れてきます」 ボトムアップ方式でインターハイ制覇 畑は