●ビジョナリーが夢見るのは数百年後の世界 数年先のPCや家電の規格とか、Webやケータイの新しいサービスとか。IT業界の大きなテーマが、本当はいかに小さいか、この人に会うとよくわかる。 “この人”とは、アラン・ケイ(Alan Kay)氏。メインフレーム主流の時代に、パーソナルでダイナミックなメディア「Dynabook(ダイナブック)」を構想し、先進的アイデアを詰め込んだワークステーション「Alto(アルト)」の開発でも中心的役割を担った伝説的人物。未来を予測する最良の方法は未来を発明することだとの名言を自ら実践してきた、最高のビジョナリーの一人だ。 だが、著名な学者やビジョナリーの中でも、ケイ氏はちょっと毛色が違うように思う。米国のビジョナリーには、起業したり企業の顧問になったり、あるいは自分の大学への企業の寄付集めに熱心だったりと、ビジネスと深い関わりを持つことで自分のアイデアの実現を図
「誤りによる統治」(Reign of Error)by ポール・クルーグマン:ニューヨークタイムズ紙2006年7月28日付コラム 現在世界で進行中の過ちの中で、これほどがっかりさせられるニュースはない。先日、ハリス・ポールが発表した最新世論調査によれば、アメリカ国民の50%が、米軍侵攻時にイラクには大量破壊兵器があったと信じており、2005年2月の36%から上昇しているというのだ。しかも、米国民の64%が、サダム・フセインはアル・カイダと深い関係にあったと未だに信じているという。(訳注1) 見方を変えれば、これは驚くべきことではないかもしれない。アメリカを動かしている人々は、もはや都合の悪い真実を決して受け入れようとはしない。彼等の気に入らない事実が充分に立証されてからも、たとえホワイトウォーター疑惑でクリントン側に違法性がなく、イラクには大量破壊兵器がなかったとわかっても、現政権を支援し
朝鮮総連に関することをとりあげた先日のこのエントリーのコメント欄で、在日朝鮮人が日本に来た理由ということをめぐって、「強制連行」ということが話題になった。また、『朝鮮人の大多数は自らの意志で渡航した。』とのご意見もあった。ちょうど、そうしたことに関連する催しの告知をサイトのトップに掲載したことでもあるので、こうした点について、ぼくのいま考えていることを書いておきたい。 じつは、「強制連行」という言葉の正確な定義自体、というか由来についても、ぼくにはよく分からない。 朝鮮人を日本の政府なり軍なり企業なりが強制的に連れてくる、この「強制」という言葉の意味合いが問題だが、そういうことがあったことは間違いないだろう。しかし、どこまでを「強制連行」と呼べばよいのか、その対象者はどのぐらいいたのか、そこは分からない。 それから、「強制連行」という言葉自体が、たとえば「強制収容所」という言葉を連想させる
昭和天皇靖国参拝発言について簡単に思うこと書いておきたい。最初に疑問に思ったのは、この文書の出現の経緯である。私が見た最初の報道は日経”昭和天皇、A級戦犯靖国合祀に不快感・元宮内庁長官が発言メモ ”(参照)であり、それには次のように「日本経済新聞が入手した」とある。 昭和天皇が1988年、靖国神社のA級戦犯合祀(ごうし)に強い不快感を示し、「だから私はあれ以来参拝していない。それが私の心だ」と、当時の宮内庁長官、富田朝彦氏(故人)に語っていたことが19日、日本経済新聞が入手した富田氏のメモで分かった。 その後、朝日新聞”昭和天皇「私はあれ以来参拝していない」 A級戦犯合祀”(参照)でも見かけ、ネットで読む分にはこちらのほうが記事の量は多い。が、出現の経緯について触れていなかった。富田朝彦氏の親族からどのように報道機関に流れたのかについてジャーナリズムは沈黙しているように思えるのが訝しい。あ
戦中の新聞を読むような幻惑を覚える。 今回の天皇独白は今日の昭和天皇研究から見て、おそらく正しいだろうと思われるし(想定の範囲内)、そのことが国民の心理に影響を与えるのも間違いないだろう。 だが、昭和天皇のお心はそのように私人としての思いを国民に伝えることで政治的な影響力を持ちかねないことを誰よりも禁じていた。彼は公人としての発言と私人としての発言の違いを知っていた。天皇は実質的な国政においてはただの飾り(より正確にいえばプロセスの確認)であり、実質的な政治的な力を持ってはいけない。これは戦前も戦後も同じである。国会の手順を踏み国民が開戦を民主的に決定したとき機関としての君主はそれを否定することができない。立憲政治において君主は民意を否定することができないという枠組みがある。 このような資料(君主の私信)が出てきたとき、国民はどうするべきか。まず、それが私人の発言であることを明確に意識し、
■[Kultuakampf][past] 「やむをえない」史観について アメリカとイギリスに対する開戦の理由 昭和16年12月8日、『終戦の詔書』より 公立小学校教諭 安達 弘 http://www.jiyuu-shikan.org/teachers/adachi/0601.html 子どもたちは素朴に「どうして戦争なんかしたんだろう?」という疑問をぶつけてきます。私には、この疑問にきちんと正対して答えられる授業がまだできていないという反省があります。そんなことを考えながら昭和天皇の文献を読んでいると「開戦の詔書」が目に付いたのです。この史料にはじつにコンパクトにしかもわかりやすく「なぜ、日本は戦争をしなくてはならなかったのか」ということが書かれていたからです。 じつは学習指導要領にははっきりと「天皇についての理解と敬愛の念を深めるように」と書かれています。ところが、こうしたことを意
絵の超初心者ド下手くそ人間が、20日間絵を描いて感じたこと わたしは、「文の人」だ。絵を描くのは大の苦手。 そんなわたしが、ひょんなことから絵を描き始めた。 そうしたらおもしろくなって約20日間、なにがしかを描きつづけている。 未知の領域での挑戦は、発見が多い。 また、ここまで絵を描けない人間の挑戦は、あまりネッ…
トフラー15年ぶりの大作「富の未来」(上・下)。 テーマが網羅的であるゆえ、要約が難しい本だ。 だが逆にそれは、個々の読者が、その時点での自分の関心を再発見する「鏡」として利用できるタイプの本だという意味でもある。 Revolutionary Wealth 作者: Alvin Toffler,Heidi Toffler,Kevin Gray,Laura Dean出版社/メーカー: Random House Audio発売日: 2006/04/25メディア: CD クリック: 8回この商品を含むブログ (1件) を見る そんな意味で、僕がたまたま面白いなと思ったのは、トフラーがアメリカについて書いている部分だった。僕は1991年末から92年末までサンフランシスコに住み(初めてのアメリカ生活)、その後2年間だけ東京に住み、94年にシリコンバレーに引っ越してきた。 だから、90年代以降(つまり3
元米国防総省日本部長のポール・ジアラ氏が朝日新聞への最近の寄稿で小泉純一郎首相 の靖国神社への参拝を非難し、米国もその参拝に反対すべきだとの意見を述べたので、 同じポストにあった私もこの問題について意見を述べ、同氏とはまったく異なる見解が米側には 多いことを強調したい。 自国を守るために戦争で死んだ先人の霊を祭った施設をその国の政治指導者らが訪れる ことはどの国でもごく自然である。中国政府が日本の首相に対し日本の戦没者を日本の神社 で追悼することをやめろと命じることは不自然であり、他国内部への理不尽な介入となる。 中国はまして台湾問題や人権問題で米国や日本が論評すると、すぐに「内政干渉だ」と非難し、 以前には日本の首相の靖国参拝を非難しなかったと言う矛盾もみせている。 A級戦犯を靖国に祭ったことが賢明なことかどうかは別として、小泉首相は参拝の際にいつも A級戦犯を追悼するのではなく、A級戦
●次回予告とかしつつも、次回予告はメインコンテンツの方にいれる事にしたので、もう少し時間をいただきます。 つか、少なくとも男女平等に関して進歩的である俺を納得させられないような本が、バックラッシュを起す男尊女卑ウヨ厨どもを納得させられるとでも思うのか? ●週刊ブックレビューで武田さんが『若者殺しの時代』を取り上げていたので(しかし、武田さんも意地の悪い本を選んだものだ。他のゲストの方がなんかかわいそうだった)、この本についてもう少し。 私がこの本で一番素晴らしいと思うのは、80年代を率直に書いている事です。 80年代というのは、まさに「バブルに向かう時代」であって、この時代を社会人として過ごした個人は「懐かしさ」を覚えつつも、同時にバブル崩壊に至る失敗の時代、いわば「失われた10年を形作った10年」であり、その「気恥ずかしさ」を感じているために、この時代を積極的に語ろうとする人間はほとんど
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く