政府は、2024年秋に現在の健康保険証を廃止し、マイナンバーカードと一体化すると発表した。主導したのは河野太郎デジタル相だ。事実上のマイナンバーカード義務化で、一般の国民にとっては唐突感は否めない。河野氏はなぜ、強引ともいえる一手を打ったのか。 マイナポイントは「邪道」 「バカなこというな。何が必要かを考えて持ってこい」。8月にデジタル相に就いた河野氏は、デジタル庁の職員が「(指示や政策の実現が)難しい」と報告するたびにそう発破をかけているという。 そんな河野氏は、以前からマイナンバーカードの普及が進まないことに危機感を抱いていた。政府は、カードの取得者に最大2万円分のポイントを付与する「マイナポイント」を実施している。だが、普及率は49・6%(10月11日時点)で、「22年度中にほぼ全国民がカードを取得する」という目標にはほど遠い。関係者によると、河野氏はポイントの効果に懐疑的で、政策と