登山が共通の趣味だったおしどり夫婦の生活は、どこで分水嶺(ぶんすいれい)を迎えたのか-。東京都八王子市内の山林に妻の万里子さん=当時(43)=の遺体を遺棄したとして、警視庁捜査1課は8月22日、死体遺棄容疑で、国立市富士見台の保険調査員、青木克人容疑者(51)を逮捕した。青木容疑者は「妻と口論になり、頭をハンマーで殴った」と殺害についても自供。万里子さんの生存を偽装するメールを送信していたほか、犯行直後も平然と登山を続けており、知人らからはその二面性に驚きの声も上がった。 消えた被害者 「前日とは打って変わって涼しい曇りのなか、静かに歩いてきました」 青木容疑者は万里子さんの遺体を遺棄した直後とみられる6月18日、八王子市内の山に1人で出かけていた。この場所は、5月に夫婦で登ったばかりの山だった。夫婦が所属する立川山岳会のウェブサイトには、登山中に初めてイノシシと遭遇したエピソードを交え、