◇企画展やウオーキングラリー 明治の一時期、奈良市と加茂町(現木津川市)を結んだ鉄路が脚光を集めている。その名は関西鉄道大仏線(通称・大仏鉄道)。名古屋、伊勢方面から奈良への観光客を輸送するため敷かれたが、9年という短命で廃止。長く草木に埋もれていたが、住民主導でトンネルや鉄橋などの遺構を残す活動が本格化するなど、平城遷都1300年を契機として、再び脚光を浴びつつある。【山田尚弘】 「ガタ、ゴト」。乗用車が通るたび音がし、汽車が通過しているかの錯覚を覚える。木津川市鹿背山のゴルフ場の入り口付近で、大仏鉄道遺構の高さ約6メートルの「赤橋」が現役で町道を支える。近くの「梶ケ谷隧道(ずいどう)」も含め、沿線には当時をしのばせる遺構が約20カ所残る。 延長約9・9キロの同鉄道は、近畿で大規模に鉄道事業を展開した関西鉄道が、1898(明治31)年に営業開始。同社が所有していた現JR関西線で名古屋と結