岸田文雄首相は28日、リニア中央新幹線の名古屋-大阪の環境影響評価(アセスメント)について「全線開業の前倒しを図るため、来年から建設主体が着手できるように国として必要な指導、支援を行っていく」と語った。また工事に伴う水資源への影響を巡って反発する静岡県の要請を受け「環境保全に関する国の有識者会議を速やかに設置したい」と表明した。訪問先の甲府市で記者団の質問に答えた。 政府関係者によると、有識者会議は、環境専門家らによる新たなメンバーで構成。生態系への影響を最小限に抑える方策を検討する。国土交通省や環境省が関与する方向で調整を進めている。 東京、名古屋、大阪を結ぶ計画の中央新幹線は、静岡工区が未着工で東京-名古屋の2027年開業予定が大幅に遅れる見通し。首相は「沿線自治体の理解を得つつ事業を進める」と述べた。 有識者会議については「課題解決に向けた取り組みを進め、(早期開業へ)環境整備に努め