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ブックマーク / www.tachibana-akira.com (65)

  • ”超富裕税”は格差社会を終わらせるか? – 橘玲 公式BLOG

    ダイヤモンド社と共同で行なっていた「海外投資の歩き方」のサイトが終了し、過去記事が読めなくなったので、閲覧数の多いものや、時世に適ったものを随時、このブログで再掲載していくことにします。 今回は2020年11月19日公開の「アメリカの極端な経済格差は持続不可能だが 超富裕層の資産に高率の課税をすれば、多くの社会問題が解決する」です(一部改変)。 ****************************************************************************************** 雑誌『フォーブス』によると、資産10億ドル(約1000億円)以上のビリオネアがアメリカには705人もいる(2019年)。その一方で、国民の半分ちかくがその日暮らしの生活をしている。この極端な経済格差は新型コロナでさらに広がっているとされるが、こんな異常な状況が長く維持で

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    kechack 2023/07/23
  • 問題は「政治と宗教」ではなく民主選挙の仕組みにある 週刊プレイボーイ連載(537) – 橘玲 公式BLOG

    安倍元首相への銃撃事件はその後、旧統一教会と自民党との関係に飛び火し、国葬の是非をめぐっても議論は収まるどころかさらにヒートアップしています。 「世界基督教統一神霊協会」は北朝鮮出身の文鮮明が日の植民地支配が終わった1945年に布教を始め、朝鮮戦争後の50年代末から日での布教を開始しました。政治との関わりは、文鮮明が68年、自民党の大物政治家で元首相の岸信介や、右翼活動家でフィクサーでもあった児玉誉士夫らと国際勝共連合(名誉会長は笹川良一)を設立してからで、以来、その人脈は岸の娘婿の安倍晋太郎、孫の安倍晋三へと引き継がれたとされます。 国際勝共連合の目的はその名のとおり、共産主義に勝つことです。アジアや中南米で次々と社会主義政権が誕生し、ヨーロッパでも共産党が党勢を伸ばし、日では全共闘による第二次安保闘争の嵐が吹き荒れる当時の状況を考えれば、右派の政治家にとって、強固な反共理念をもつ

  • 単純な因果論では説明できないこと 週刊プレイボーイ連載(532)  – 橘玲 公式BLOG

    不気味なことが起きたとき、ひとは無意識のうちに、その原因を探します。なぜなら、理由もなく襲ってくる脅威ほど恐ろしいものはないからです。 科学の知識がなかった時代(人類が生きてきた大半)では、天変地異は神の怒りであり、感染症などの病気は悪霊の仕業でした。そして、神の機嫌を損じたり、呪術をかけた相手を特定し、その「悪」を罰することで世界に秩序をもたらそうとしてきたのです。 大量殺人や要人の暗殺のような異常な事件が起きると、ひとびとは不安になります。そこでメディアは、わかりやすいストーリーを探し出してきて、視聴者や読者の要望に応えようとします。 秋葉原で起きた無差別殺傷事件では「非正規雇用」、京都のアニメ制作会社が放火され70人が死傷した事件では「孤立」、今回の元首相暗殺では「カルト宗教」が事件の原因だとされています。 もちろんこれは、いずれも重要な背景ではあるでしょう。しかし当たり前ですが、非

  • 「自民は若者の党」「立民は高齢者の党」の不思議 週刊プレイボーイ連載(498) – 橘玲 公式BLOG

    コロナ禍のなかでの衆院選は、安倍―菅の「ネオリベ」路線から「新しい資主義」へと看板を架け替えた自民党が、大物議員の落選はあったものの、単独で国会を安定的に運営できる「絶対安定多数」を確保しました。その一方で、議席増確実とされていた立憲民主党は逆に選挙前を下回り、敗北の責任をとって枝野代表が辞任しました。 出口調査からわかるのは、前回(17年)の選挙と比べて、立民が無党派層の投票を減らしたのに対し(30.9%から24.6%)、8.5%だった日維新の会が20.9%へと無党派層から支持されたことです。選挙前は、「自助」を求める菅政権への反発から、(与党も含め)どの政党も「公助(分配)」を強調しましたが、こうした「ばらまき」から一線を画した維新が議席4倍増と躍進したのは示唆的です。 より興味深いのは年代別の投票傾向で、18~19歳は36.3%が自民に投票し、立民の17.2%の倍です。20代も3

  • 有名人「二世」の自己実現は難しい 週刊プレイボーイ連載(468) – 橘玲 公式BLOG

    総務省の幹部らが菅首相の長男が勤める会社から繰り返し接待を受けていた問題で、「それ以外に違法な接待は受けていない」と国会で答弁した幹部らがNTT社長とも高額の会をしていたことが明らかになり、混乱が広がっています。疑惑はさらに拡大しそうですが、ここではちょっと視点を変えてこの問題を考えてみましょう。 芸能人など有名人の子どもの「自己実現」が難しいことはよく知られています。歌舞伎役者の家に生まれた子どもが名跡を継ぐのは、「親はあのひとなんだって」と好奇の視線を浴びたり、「なんでこんな仕事してるの?」と揶揄されることを考えれば、役者になるのがいちばんだと小さいときから周囲が説得し、人もそう思うようになるからでしょう。歌手や俳優の子どもも、けっきょくは芸能関係の仕事をすることが多いようです。 「日は二世政治家が多すぎる」と批判されますが、ここにも同じ事情がありそうです。政治家が尊敬されたのは

  • 日本学術会議問題は「脅して従わせる」マネジメント 週刊プレイボーイ連載(450) – 橘玲 公式BLOG

    学術会議が推薦した会員候補のうち6人が任命されなかった問題で、菅政権が発足早々、逆風にさらされています。経緯に関しては不明な点もありますが、報道を見るかぎりでは、以前から官邸は多めの人数の名簿で事前説明するよう求めていて、2016年には補充人事で上位に推した候補に官邸が難色を示したことから、全ポストについて推薦そのものを見送る事態が起きています。 官邸が問題にしたのは、学術会議が「政府機関」でありながら「独立した人事権」をもつという慣行で、民主的な手続きで選ばれた政府の上位に「超越的」な権力が生まれることを危惧したとされます。とはいえ、学術会議が「軍事的安全保障研究禁止」の方針を決定したり、所属する学者が政府を批判する発言をすることへの心情的な反発が大きかったのでしょう。 今回の紛争の直接の原因は、学術会議の前会長(前京大総長)が、官邸との事前折衝を無視して105人の会員候補の推薦名簿

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    kechack 2020/11/02
  • 安倍政権の後世の評価は「悪夢の民主党政権」のリベラルな政策を実現したこと? 週刊プレイボーイ連載(444)  – 橘玲 公式BLOG

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    kechack 2020/09/14
  • 「GO TOトラベル」が失敗するほんとうの理由 週刊プレイボーイ連載(440) – 橘玲 公式BLOG

    コロナ禍で苦境にある旅行業界を活性化するための「GO TOトラベル」キャンペーンがさんざんなことになっています。これについてはすでに多くの批判がありますが、それをひと言でまとめるなら「場当たり的」になるでしょう。 なぜこんなことになるかというと、新型コロナ対策を「感染抑制」と「経済活動再開」のジレンマ(トレードオフ)にしてしまったからです。感染を防ごうと緊急事態宣言を出せば飲業や観光業、イベント関連などの事業者が苦境に陥り、かといって経済活動の再開を急ぐとクラスターが発生し感染が拡大してしまいます。「あちらを立てればこちらが立たず」のこの関係がジレンマです。 それに対してトリレンマは、「3つの条件を同時に満たすことができない」ことで、「国際金融のトリレンマ」がよく知られています。「自由な資移動」「為替相場の安定」「独立した金融政策」の3つを同時に実現することはできないという定理で、先進

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    kechack 2020/08/11
    旧民主党政権の場当たり的な対応を批判して誕生した第二次安倍政だが、今回の「国家的危機」に際して、同じような場当たり的対応をするしかなくなっていることに、この問題の根深さが象徴されています。
  • 「政界を揺るがせた賭け麻雀」の背後にある権力とメディアの癒着の構造 週刊プレイボーイ連載(433) – 橘玲 公式BLOG

    検察庁法改正に反対するSNSの盛り上りで安倍政権が今国会での法案提出を断念したかと思ったら、疑惑の当事者である東京高検検事長が新聞記者宅で賭け麻雀をしていたことが週刊誌で暴露され、辞職するというまさかの展開となりました。 とはいえ、これは日のメディアの実態を知っていればさほど驚くようなことではありません。新聞社もテレビ局も、社会部記者は警察・検察幹部、政治部記者は有力政治家や高級官僚の自宅に夜討ち朝駆けして、公私混同のつき合いでネタを取ってくるのが仕事だからです。 これが白日の下にさらされたのが2018年の「財務省事務次官セクハラ疑惑」で、このときは官僚機構の頂点にある財務省事務次官が、記者のなかから気に入った若い女性を選んで、「タダで遊べるキャバ嬢」として夜中に呼び出していました。今回は「次期検事総長」と噂される検察庁幹部が気の合った新聞記者を集めて賭け麻雀をしていたのですから、これが

  • 新型肺炎「クルーズ船」対策はすべて素人の思いつき? 週刊プレイボーイ連載(422) – 橘玲 公式BLOG

    政府の新型肺炎対策が混迷をきわめています。感染拡大にいまだ収束の見通しは立ちませんが、現時点でわかったことをまとめておきましょう。 クルーズ船の対応で官房長官は「感染防止を徹底」と胸をはりましたが、結果は死者7名、感染者約700名にのぼりました。同様の状況にあったクルーズ船から乗客を下船・自由解散させたカンボジアは「中国におもねっている」とさんざん批判されましたが、その後、確認された感染者は1名です。どちらが正しかったかは議論の余地すらなく、非人道的な環境で長期間拘束された乗客・乗員はほんとうにかわいそうです。 春節の時期に多くの中国人観光客を受け入れたことも批判されています。アメリカのように中国全土からの入国禁止を徹底していれば感染拡大を防げたというのです。 「政治は結果責任」ですからどちらも大失態でしょうが、このウイルスが未体験であることを考えればいちがいに責めることもできません。感染

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    kechack 2020/03/17
  • 消費税増税で大騒ぎするのに、なぜそれ以上の「増税」で騒がない? 週刊プレイボーイ連載(403) – 橘玲 公式BLOG

    消費税引き上げ直前の駆け込み消費で、レジで長い行列をつくってトイレットペーパーなどを買いだめすることが話題になりました。「1万円分買っても200円しか節約できない時間のムダ」という辛辣な意見もあるようですが、休日に家でテレビを見るだけだったり、車で近所をドライブするくらいなら、「消費税増税」というイベントに参加し、1時間並んで大量のトイレットペーパーを持ち帰って、「得した!」という“達成感”を得たほうがずっといいのかもしれません。 それより不思議なのは、消費税が2%上がっただけでこんなに大騒ぎするのに、誰もがそれ以上の「増税」に無関心なことです。それが年金や健康保険など社会保険料の引き上げです。 消費税が3%から5%に引き上げられたのが1997年の橋龍太郎政権のときで、これが景気を失速させ「デフレ不況」を招いたとバッシングされたことから、8%への引き上げは2014年の安倍政権まで待たなく

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    kechack 2019/10/22
  • 日本の「リベラル」より、安倍政権の方がリベラル? 週刊プレイボーイ連載(289)  – 橘玲 公式BLOG

    安倍首相は5月3日の憲法記念日に、読売新聞のインタビューと憲法改正を推進する民間団体へのビデオメッセージで、「2020年を新しい憲法が施行される年にしたい」として、憲法9条と高等教育無償化を具体的な検討項目に挙げました。これまで「9条に手をつけられるはずがない」とたかをくくって「お試し改憲」を批判していたひとたちは、腰を抜かんさんばかりに驚愕したのではないでしょうか。 安倍首相はメッセージで「多くの憲法法学者や政党の中には、自衛隊を違憲とする議論が今なお存在する」として、「『自衛隊は違憲かもしれないけれども、何かあれば、命を張って守ってくれ』というのは、あまりに無責任だ」と述べました。 無責任と名指しされた“リベラル”な学者や共産党は、この批判に責任をもってこたえなくてはなりません。とはいえ、これまでの主張を見るかぎりこれはなかなか大変です。 共産党委員長は「自衛隊は憲法違反だと思うが、国

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    kechack 2017/05/22
  • 安倍政権が「リベラル」になる理由 週刊プレイボーイ連載(238) – 橘玲 公式BLOG

    安倍内閣が10%への消費税増税を再延期し、衆参同日選に打って出るとの憶測が盛んです。現時点ではどうなるかはわかりませんが、安倍首相が憲法改正可能な議席を確保しようと思うのなら、この戦略は合理的です。 20年以上にわたって続いた中国の高度経済成長が減速をはじめ、今年に入ってから世界経済が動揺しています。鳴り物入りではじまったリフレ政策も、日銀がどれほど金融緩和してもインフレは起きず、マイナス金利という奇策に頼らざるを得なくなりました。 こうした状況を見て安倍首相は、韓国とのあいだで慰安婦問題の「最終的かつ不可逆的な解決」に乗り出し、年頭の施政方針演説では「同一労働同一賃金」の法制化を目指すと宣言しました。 慰安婦問題での妥協は保守派・右翼に大きな不満を残しましたが、安倍首相に対抗する右派の政治勢力が存在しない以上、なんの脅威にもなりません。国際社会では彼らの主張は「朝鮮人を殺せ」と叫ぶ団体と

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    kechack 2016/04/18
    安倍政権にとって肥沃な票田は、中道から左にあります。本来はこの層は野党第一党である民主党の地盤でなければならないのですが
  • 慰安婦問題を「最終的で不可逆的」に解決するために 週刊プレイボーイ連載(226) – 橘玲 公式BLOG

    昨年末の「慰安婦」日韓合意は戦後史に画期をなす出来事ですが、その意義がじゅうぶんに理解されているとはいえません。 従軍慰安婦問題についてはさまざまな立場があるでしょうが、国際的には、日韓のナショナリズムの衝突ではなく、女性の人権問題と見なされていることを押さえておく必要があります。 旧ユーゴスラビアの解体とボスニア内戦は、その凄惨さによって西欧諸国に大きな衝撃を与えました。とりわけ戦場における虐殺と性暴力は、「人権の擁護は国家の主権を超える」という新しい流れを生み出しました。従軍慰安婦問題も、こうした「普遍的人権」の枠組みのなかで国際社会で取り上げられるようになったのです。そこで重視されたのは、日韓の歴史認識のいずれが正しいかではなく、戦争の被害者である女性をいかに救済するか、ということでした。 しかし残念なことに、こうした冷戦後の新しいパラダイムは、日でも韓国でもほとんど理解されません

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  • 日銀の「約束」はどうなった? 週刊プレイボーイ連載(220) – 橘玲 公式BLOG

    「コミットメント」は、経済学ゲーム理論)では「確実な約束」をいいます。よく知られているのが孫子の兵法の「背水の陣」で、川を背にすることで自ら退却を不可能にして、敵方に対して「最後の一兵まで戦いつづける」とコミットメントする戦略です。溺れ死ぬより戦った方が生き残る可能性が高ければ、どれほど劣勢になっても撤退しませんから、たとえ勝ったとしても犠牲は膨らみます。これによって相手の戦意を喪失させて、心理的に優位に立とうとするのです。 日銀が2013年4月に行なった「量的・質的金融緩和」は、市場や国民に対し、2年間という期限を切ったうえで2%のインフレ目標を達成するというコミットメントです。 近年のマクロ経済学では、インフレ率はひとびとの予想(期待)によって決まると考えます。将来、確実に物価が上昇すると思えば、消費者はいまのうちに高額商品を買っておこうとし、経営者は設備投資を前倒しして、その結果、

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  • 「英雄」たちの時代が終わって、歴史はどんどんつまらくなった 週刊プレイボーイ連載(190) – 橘玲 公式BLOG

    リー・クアンユー元シンガポール首相が91歳で生涯を終えました。これで、アジアの「英雄の時代」が完全に幕を下ろしました。 明治維新によって近代国家への道を踏み出した日に対して、アジアの国々は(タイを除けば)ずっと植民地か半植民地でした。第二次世界大戦が終わってようやく民族自決の権利が認められ、独立が可能になったのです。 毛沢東、蒋介石、ガンジー、スカルノ、金日成、ホー・チ・ミンなど、毀誉褒貶はあるでしょうが、この時期に「建国の英雄」たちが続々と現われました。中国韓国・朝鮮は日より長い歴史を持っていますが、近代国家になってからは70年しか経っていない“若い”国なのです――これが、日と近隣諸国との「ナショナリズム」がいちがう理由のひとつでしょう。 そのなかでも東南アジアは、政治的な理由から建国が遅れました。インドネシアがオランダから独立を果たしたのが1949年、シンガポールがマレーシア

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  • 「教育と格差」をいい立てるうさんくさいひとたち 週刊プレイボーイ連載(186) – 橘玲 公式BLOG

    トマ・ピケティの『21世紀の資』が経済書としては異例のベストセラーになったことで、また「格差」をめぐる議論がにぎやかになってきました。 ある大学では、4万人を対象に、親の年収学歴を合成した指標(家庭の社会経済的背景=SES)と子どもの学力の関係を調べました。それによれば、SESが最低で毎日3時間勉強する子どもよりも、SESが最高で学習時間ゼロの子どもの方が、小中学校ともに学力が上だったといいます。 これを報じた記事では、この結果を「衝撃的」として、「親の経済力などが高い子どもほど高学力と高学歴を獲得しやすく、それが次の世代への連鎖を生む」としています。 しかし、この話は明らかにヘンです。SESは親の年収学歴を合成したといいますが、なぜこんなことをしなければならないのでしょう。子どもの学力の決定要因を知りたければ、年収学歴を別々にしてその影響を推計すればいいだけです。 記事では「親の

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  • ”進歩的”似非リベラルからまっとうなリベラルへ 週刊プレイボーイ連載(177) – 橘玲 公式BLOG

    安倍政権の特徴は好き嫌いがはっきり分かれることでしょう。「保守」「愛国」というイデオロギーを前面に押し出しているからで、自民党の福田政権や麻生政権、民主党の野田政権のような“無味無臭”とはかなり異なります。 欧米諸国もそうですが、イデオロギー対立が激しくなるのは、政党が政策で差をつけるのが難しくなったからです。消費税増税も、TPPへの参加も、原発再稼働も、安倍政権の進める政策の多くは民主党政権が決めたことです。日は1000兆円を超える巨額な借金(これは歴代の自民党政権がつくったものです)によって政策の選択肢がほとんどなくなっているので、誰がやっても同じようなことにしかできないのです。 今回の衆院選で野党は「アベノミクスの失敗」を攻撃しましたが、「2年で2%のインフレにして強い日経済を“取り戻す”」のが公約だとすると、その結果が明らかになるのは来年で、「失敗する前に選挙をやってしまう」自

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    kechack 2015/01/06
    「一強多弱」になるのは、弱い側に問題があるからです。選挙結果が気に入らないからといって、駄々っ子のような大人気ない態度はいい加減にやめた方がいいでしょう。
  • 「派遣」をめぐる議論はなぜいつも下らないのか 週刊プレイボーイ連載(172) | 橘玲 公式サイト

    労働者派遣法の改正案が国会で審議入りしたことで、派遣労働のあり方をめぐる議論が再燃しています。法案を提出した安倍政権は「身分の不安定な派遣社員の待遇改善や正社員化につながる」と力説しますが、野党は逆に「派遣を増やすだけだ」と反発しています。 とはいえ、この法案が世論を二分する論争になっているわけではありません。当の派遣社員も、「どうでもいい」「関心がない」と突き放しています。 この徒労感はどこから来るのでしょうか。それは政治家やメディアが、問題の質から目を背けているからです。 「派遣」という働き方が悪いわけではありません。それが政治問題になるのは、日の社会では派遣が「非正規」とされ、同じ仕事をしていても「正規」の社員と待遇が異なるからです。 ILO(国際労働機関)は同一労働同一賃金を基的人権としており、「正規」「非正規」の区別は現代の身分制と見なされます。「日は前近代的な差別社会だ

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    kechack 2014/11/26
  • 「人間力」はうさんくさい 週刊プレイボーイ連載(127) – 橘玲 公式BLOG

    政府の教育再生実行会議が、知識偏重の大学入試をやめて「人間力」で生徒を選ぶべきだと提言しています。面接や論文、高校の推薦書、部活動やボランティアの活動歴などから21世紀の日を担う“グローバル人材”を選抜し、育てていくのだそうです。 ところで「人間力」とはいったい何でしょう? これは下村博文文部科学大臣が簡潔に説明しています。 ひとつは、多様な価値観や人をまとめていくリーダーシップ力。二つめは、企画力や創造力などクリエイティブ能力、そして人間的な感性や優しさ、思いやりだといいます(11月22日付『朝日新聞』)。 素晴らしい提言のようですが、こういう耳障りのいい話は疑ってかかった方が間違いありません。 そもそも、試験官が生徒の「人間力」を主観的に判断して合否を決めるのは最悪の選抜方法です。これでは不合格の烙印が、学力ではなく全人格を否定された証拠になってしまいます。学科試験の成績がよかったの

    「人間力」はうさんくさい 週刊プレイボーイ連載(127) – 橘玲 公式BLOG
    kechack
    kechack 2013/12/16