というわけで、以前書いた記事の時からむくむくと膨らみだしている、「物語」*1を伝達する媒体である漫画と小説の質的な違いは何なのかという話です。 まず第一回は、前提として、なぜ漫画と小説なのかというところから。 端的に言ってしまえば、漫画と小説は、アニメや映画、演劇、CDドラマなどとは違い、それが伝える「物語」の時間が通常では凍結されているからです。 端的過ぎるのでもうちょっと噛み砕きます。 まずはそうでない媒体であるアニメなど。アニメなどは、それを鑑賞する時に時間が流れなければ鑑賞することはできません。「そんなの漫画や小説だって時間が流れなければ読めないではないか。お前は『ザ・ワールド』に入門しないまま読書をすることができるのか」と言う向きもあるでしょうが、そういうことではありません。 とりあえずアニメを例にして話を進めますが、アニメには映像と音声があります。映像が動く時には必ず時間が流れ