ふつうのメダカに脂肪分の多い餌を与えることで、ヒトの病気と同じような脂肪肝や脂肪性肝炎を発症させることに、東京医科歯科大と山口大のグループが成功した。ヒトの病気を再現したモデル動物として、脂肪肝が肝炎、さらに肝硬変へ進行する仕組みの解明や創薬に活用できそうだ。英国の発生学専門誌で近く発表する。 グループは、メダカに通常の数倍の脂肪分を含む餌を与え、肝臓の変化を調べた。12週間後には、肝臓の重さが通常の3倍程度まで増え、肝炎などで肝細胞が壊れたときに出る酵素も2倍以上に増えた。肝細胞の様子から、このメダカは、ヒトの非アルコール性脂肪性肝炎と同様の状態と判断されたという。 このメダカに、脂肪をつきにくくするとされる魚の脂肪分「エイコサペンタエン酸(EPA)」を高脂肪食と同時に与えると、肝臓で脂肪を合成したり、分解したりする作用が、健康なメダカと同程度に戻った。脂肪肝のメダカを使った研究が、