藤森照信×山口晃『日本建築集中講義』(淡交社)がすごく面白い。近代建築史が専門で建築家でもある藤森照信を先生に、画家山口晃が日本の名建築について講義を受けるという本。取り上げられたのは古くは法隆寺から新しいものでは昭和初期に作られた大山崎の聴竹居まで13の名建築。淡交社発行の月刊誌『なごみ』に2012年に1年間連載されたもの。 まず標題とは異なり、ちっとも集中講義にはなっていない。先生は気に入らない建築は素通りしてしまう。ところがそれを山口が軽妙に補完する。構成は二人が建築を見て回り、その後喫茶店などで対談する。山口が建物や案内してくれた人のことなどをマンガでおもしろく紹介する。最後に、いま見てきた建築について二人が簡単なアンケートに答えるというもの。そのアンケートのいくつか。 Q1 今回見た建物の中で一番印象深かったモノ・コトは? (法隆寺:山口)床がコンクリート (聴竹居:藤森)窓の枠