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ブックマーク / horikawad.hatenadiary.com (47)

  • NASAが発表した「太陽系の海に関する知見」について - クマムシ博士のむしブロ

    Credit: NASA/JPL 現地時間2017年4月13日、NASAは土星の衛星エンセラダスから噴き出している間欠泉ガスから水素(H2)を検出したことを発表した。これは、エンセラダスの内部海底に熱水活動が存在し、生命が存在しうる環境が整っていることを示唆している。 エンセラダスは氷に覆われているが、その下には全球的に海が広がっていることが判明している。これは木星の衛星エウロパでも同じ。このような海は内部海という。エンセラダスの氷の裂け目からは間欠泉が宇宙空間まで吹き出しており、土星探査機カッシーニはしばしばこの中を通り過ぎながら質量分析器(Ion and Neutral Mass Spectrometer (INMS) )で組成分析を行ってきた。 カッシーニの分析により、これまでにエンセラダスの内部海には水の他に二酸化炭素、そして微量ながらアンモニアやメタンが含まれていることが2005

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  • クマムシ研究クラウドファンディングの支援者が150名になりました - クマムシ博士のむしブロ

    現在、クラウドファンディングサイト「academist」で、クマムシ研究プロジェクトの支援を募っています。 最強生物クマムシの耐性の謎をゲノム編集で解明する! クラウドファンディング開始から5日間が経過し、ご支援いただいた方の数が151名になりました。目標達成率は86%に。この151名の皆さまに心より御礼申し上げます。 限定100個のクマムシ福袋リターン(「限定かんみんシロクマムシちゃんぬいぐるみS」「クマムシさんぬいぐるみL」「サイン付き『クマムシ博士のクマムシへんてこ最強伝説』」「クマムシ博士サイエンスカフェ参加権」)は、なんとこの5日間で完売してしまいました。 そこで、クマムシ福袋と同じ内容のリターンを、さらに100個限定で追加しました。 こちらの価格は15,000円。初回の福袋よりも価格が高くなっていますが、それでもまだお得感はじゅうぶんにあります。初回の福袋をゲットし損ねた方は、

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  • NASAが発表した「TRAPPIST-1の系外惑星群」のインパクト - クマムシ博士のむしブロ

    Image credits: NASA/JPL-Caltech (images used under NASA media usage guidelines) アメリカ時間の2017年2月22日、NASAは系外惑星に関する新たな発見について記者会見を開いた。その新発見の内容とは、「ひとつの惑星系に7つの地球サイズの系外惑星が存在すること」だった。これら7つの系外惑星のうち、3つは地表に液体の水が存在しうるハビタブル(生命棲息可能)な惑星である可能性が示された。 生命を宿せるような「第二の地球」候補になりうる系外惑星が3つも同じ惑星系内で確認されるのは、初めてのこと。今回の発見は、我々が想像していた以上に太陽系の外には生命の星がありふれていることを示唆する、重要な発見といえる。 ・系外惑星とは 系外惑星とは、太陽系の外に存在する惑星のことである。これらは恒星の周りを公転している。観測技術の発

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  • クマムシしか研究したくない教員と、アリしか研究したくない学生。 - クマムシ博士のむしブロ

    勇ましい姿の岩井くん 私が北海道大学大学院に進学した2002年、研究室の指導教員の東正剛教授の専門はアリの生態学でした。通常であれば、研究室の指導教員は自分の専門に関連したテーマを学生に与えるもの。でも、私はどうしてもクマムシしか研究したくありませんでした。 東教授は何も言わずに、こちらの好きなようにクマムシの研究をさせてくれました。このあたりの経緯は『クマムシ研究日誌』にも書いた通りです。 horikawad.hatenadiary.com そして時は流れて2014年。私は慶應義塾大学で学生を指導する立場になっていました。そのときに一人の学部1年生を指導することになりました。 彼の名は岩井碩慶くん。小さいときから昆虫が好きで、大学に入る前からアリやハチといった社会性昆虫の研究をしていたといいます。高校時代には、学生向けのコンペティションでも賞をもらったりと、なかなかガチ度の高い学生です。

    クマムシしか研究したくない教員と、アリしか研究したくない学生。 - クマムシ博士のむしブロ
    keloinwell
    keloinwell 2017/01/03
    論文おめでとうございます。/人とのつながりってやはり大事なんだな。
  • 個人はマイメディアをもとう - クマムシ博士のむしブロ

    ハフポの編集長はじめご担当者から、連絡とお詫びをいただいた。 メールでは「過去に転載した記事を順次削除する」とおっしゃってくれた。 また、「記事毎に確認を取る約束を両者でしていたのに、その周知が担当者間に不徹底だったために迷惑をかけた」とも書かれていた。 以前メールで削除要請をしたとき、ハフポからのお返事メールには「一度公開した記事については削除をしないのでご理解ください」としか書かれていなかった。このときは、こちらからの転載記事の削除要請には、まったく取り合ってくれなかった。今回は、対応が180度かわった。 でも、そんない違いは、もうどうでもいい。 晴れて、ハフポに掲載された記事はすべて非公開となった。このブログで削除のお願いをしてから丸一日足らずでの迅速な対応をしていただいたことに、感謝したい。 今回の社会実験でわかったことは、個人はマイメディアをもったほうが良いということ。 個人が

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  • 【書評】『衛生害虫ゴキブリの研究』年季入りの本格書 - クマムシ博士のむしブロ

    衛生害虫ゴキブリの研究 (SCIENCE WATCH) 作者: 辻英明出版社/メーカー: ?北隆館発売日: 2016/09/23メディア: 単行(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る 「黒塗りの家庭内ランナー」としてお馴染みの生きもの、ゴキブリ。 たったの一匹が加工品に混入しただけで、ひとつの企業を存続の危機に追いやるほど、この生物は忌み嫌われている。だがはたして、この同居人の実際の姿を知る日人は、いったいどれくらいいるだろうか。 何のてらいもないタイトルの通り、書は、屋内で遭遇する衛生害虫ゴキブリの研究書である。著者は、民間の研究所などで50年以上にわたってゴキブリ研究に従事してきており、ちなみに昭和7年生まれ。そして書には、著者らによる圧巻の研究成果の数々が、これでもかと言わんばかりに詰め込まれている。表紙に描かれたイラストこそゆるふわの脱力系だが、けっして生半可な気分で

    【書評】『衛生害虫ゴキブリの研究』年季入りの本格書 - クマムシ博士のむしブロ
  • 世界初となるゲノム編集技術「CRISPR-Cas9システム」を用いた遺伝子治療が実施される - クマムシ博士のむしブロ

    中国の研究グループにより、世界初となるゲノム編集技術CRISPR-Cas9システムを用いた遺伝子治療の臨床試験が行われた。 CRISPR gene-editing tested in a person for the first time PD-1 knockout engineered T cells for metastatic non-small cell lung cancer ゲノム編集による遺伝子治療は、HIVをジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)を用いて行われた例がある。CRISPR-Cas9が使われたのは、今回が初めて。それにしても、世界に先駆けてヒト受精卵にCRISPR-Cas9システムでゲノム編集をしたのも中国だったし、中国はとばしますね。上のNatureの記事内では、専門家がアメリカ中国の医学研究競争を「スプートニク2.0」とよんでいる。うまい例え。 ゲノム編集技

    世界初となるゲノム編集技術「CRISPR-Cas9システム」を用いた遺伝子治療が実施される - クマムシ博士のむしブロ
  • NASA発表の「エウロパに間欠泉の存在」の意味を考える - クマムシ博士のむしブロ

    Credit: NASA Goddard 現地時間の2016年9月26日にNASAで会見が開かれ、「木星衛星エウロパから吹き出す水と思われる物質を観測した」と発表した。 NASA’s Hubble Spots Possible Water Plumes Erupting on Jupiter's Moon Europa これは先日、小野雅裕さんや藤島皓介さん、そしてここで予想した内容とほぼ一致。今回の予想は優しかった。ただ、私が希望的観測で予想していたエウロパ全域での間欠泉の存在や、有機物の検出については、今回の発表に含まれていなかった。 horikawad.hatenadiary.com エウロパの地表は厚い氷で覆われており、その下には内部海があると信じられていた。液体の水があれば、生命体が潜んでいても不思議ではない。NASAはエウロパの探査計画に力を入れている。 さらに、もしエウロパに

    NASA発表の「エウロパに間欠泉の存在」の意味を考える - クマムシ博士のむしブロ
  • 【書評】『ゲノム編集の衝撃 「神の領域」に迫るテクノロジー』 来るべき未来に備えて正しい理解を - クマムシ博士のむしブロ

    ゲノム編集の衝撃―「神の領域」に迫るテクノロジーNHK「ゲノム編集」取材班 著 「今、もっともエキサイティングなバイオテクノロジーは何か」。この質問に対し、多くの生命科学者は次のように答えるだろう。「それはゲノム編集だ」、と。書は、ゲノム編集がどのような技術で、この技術がいかに未来を変えうるかについて解説した良書である。 ゲノム編集とは、遺伝子の体であるDNAの狙った位置を切り貼りするなどして「編集」し、その生物のすべての遺伝情報、すなわちゲノムを改変する技術である。ゲノム編集により、有用な農作物の作出や、遺伝性疾患の治療ができるようになると期待されている。ゲノム編集技術のひとつであるCRISPR/Cas9(クリスパー・キャスナイン)システムの確立により、この技術が爆発的に普及するようになった。 以前、むしブロでゲノム編集について解説した記事を公開したところ、大きな反響があった。ただ

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  • 【書評】我々は特別な存在か。宇宙的バランス感覚を養う一冊『生命の星の条件を探る』 - クマムシ博士のむしブロ

    生命の星の条件を探る:阿部 豊 著 生命の星、地球。都会のようなコンクリートジャングルにおいても雑草が茂り、アリたちが闊歩する。足下をふと見れば道路の片隅にコケが生育していて、そのコケの中にはクマムシがいる。朝晩の電車に乗り込めば、無数のホモ・サピエンスと接触する。生物はそこに居て当然。そんな風に私たちは感じてしまう。だが、地球以外の天体に由来する生命体は、現在までまだ見つかっていない。はたして、生命を育んでいる惑星は、この広い宇宙で地球だけなのだろうか。 生命体が棲息する環境がどのようなものかを考えるとき、もっとも参考になるのは、私たちを育んでいるこの地球の環境である。ある惑星が地球と同じような環境であれば、そこには生命体が居てもおかしくない。もちろん、地球型の生命体とはまったく異なるタイプの生命体も、宇宙のどこかにいるかもしれない。だが、そのような生命体はあくまで空想上の産物にすぎず、

  • クマムシ研究所を設立しました - クマムシ博士のむしブロ

    このたび、クマムシ研究所を設立しました。 クマムシ博士のクマムシ研究所 クマムシ研究所では所員とともにクマムシ研究を推進し、人類が共有する科学的知見の集積に貢献することを目標とします。原則として、会費(月額2000円(学生は500円))を払えば誰でも所員になれます。「研究所」と銘打っていますが、研究所の物質的な建物は今のところはありません。クマムシ研究所は、オンラインを主な場として活動するバーチャルな研究所です。具体的にはFacebookグループ上で所員たちとディスカッションを行い、オフラインで勉強会やお茶会を開きます。 ここでちょっと、クマムシ研究所設立の背景を。 もともとは、科学研究の世界におけるプロとアマチュアの境界は曖昧なものでした。グレゴール・ヨハン・メンデルや南方熊楠は大学や研究所に所属する研究者ではありませんでしたが、優れた研究業績を残しています。しかしながら、その後の科学研

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  • 「クマムシに外来遺伝子17%」は真実か - クマムシ博士のむしブロ

    いっけなーい😮乾眠乾眠💦 私ヨコヅナクマムシ!ちょっと最強の緩歩動物😳でもある時、別の弱いクマムシが細菌の遺伝子どっさり取り入れてる報告が出ちゃってもう大変😲しかもみんな信じちゃって!?😲一体私の立場、これからどうなっちゃうの〜!?😭次回「それはただのコンタミング♪」お楽しみに💞— クマムシさん☆いきもにあ117G通り西5 (@kumamushisan) 2015, 12月 8 クマムシは緩歩動物門を成す動物群である。系統上は節足動物や有爪動物(カギムシ)に近いとされているが、まだこのあたりの議論は続いている。クマムシは高い乾燥耐性やその他の環境耐性をもつ。クマムシの系統上の位置や環境耐性メカニズムを知るためにも、生物のDNAに書き込まれた遺伝情報を調べることは必須である。私たち日のクマムシ研究グループは、クマムシのなかでも*1とくに高い耐性をもつ種類のヨコヅナクマムシの

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  • クマムシを研究している高校生の「脚ポンプ仮説」について - クマムシ博士のむしブロ

    めずらしくネット上でクマムシの話題が盛り上がっています。その話題がこちら。 クマムシの足、実は循環器か 京都の高校生の仮説脚光:京都新聞 私が過去に発表した研究成果よりもはるかに注目を浴びています。こうしてクマムシのことが世に広まっていくのはとてもよいことだし、この木津高校科学部の北澤さんのことは応援したいですね。 さて、この記事によると、クマムシの脚が移動ではなく循環器の役割を果たしているのではないかということを、北澤さんが仮説を立てて実験しているとのこと。さらに北澤さんは、クマムシの休眠(乾眠のことと思われる)では体が縮むため、脚を収縮させることで水分を積極的に放出しているのではないかと考えているようです。この研究発表は、今年8月に行なわれた進化学会の高校生部門で最優秀賞を受賞したもようです。 私はこの研究内容についての発表を聞いていないので、この新聞記事の内容以上のことは分かりません

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  • アメリカ自然史博物館でクマムシなどの極限生物特集が開催中 - クマムシ博士のむしブロ

    American Museum of Natural Historyのサイトより ちょっと告知が遅くなりましたが、アメリカ・ニューヨークにあるアメリカ自然史博物館(American Museum of Natural History)にてクマムシをはじめとした極限生物の特別展示が行なわれています。私も動画素材の提供や監修に少し協力しました。ただ、この特別展示では物のクマムシは展示されていません。 以下が特別展時の紹介動画。私が撮影したヨコヅナクマムシの動画も使われています。 現地に行ってきた方々からもリポートをいただきました。クマムシがかなりフィーチャーされていて、なかなかの人気のようです。 ニューヨークの地下鉄乗ってたらクマムシのポスターが貼ってありビクッと反応する。アメリカ自然史博物館で展示会をやってるらしい。見に行こうかな……。 @horikawad pic.twitter.co

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    keloinwell
    keloinwell 2015/08/03
    行ってみようかな。
  • クマムシ本『クマムシ研究日誌』を出版します。 - むしブロ

    5月下旬にクマムシが出ます。タイトルは『クマムシ研究日誌』。メルマガ「むしマガ」で連載していた同タイトルの原稿をベースにまとめたものです。すでにAmazonで予約受付を開始しています。 クマムシ研究日誌: 地上最強生物に恋して 前作のクマムシ博士の「最強生物」学講座ー私が愛した生きものたちーではクマムシの話が全体の3分の1ほどだったのに対し、『クマムシ研究日誌』は一冊まるごとクマムシの話。私がクマムシに出逢ってからこれまでの研究人生を時系列で追いつつ、初心者からマニア向けのクマムシ教養をつめこみました。 『クマムシ研究日誌』は怪作ぞろいの『フィールドの生物学シリーズ』の第15弾目として東海大学出版会から出版されます。このシリーズでの出版ということで、執筆中もプレッシャーがありましたが、なんとか出版までこぎ着けられてほっとしています。『クマムシ研究日誌』の目次は以下のとおり。 クマムシ研究

    クマムシ本『クマムシ研究日誌』を出版します。 - むしブロ
    keloinwell
    keloinwell 2015/05/11
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  • ドミトリーともきんす:科学の世界へのなめらかないざない - クマムシ博士のむしブロ

    ドミトリーともきんす 書は『棒がいっぽん』などで知られる漫画家・高野文子さんの作品。寮母のとも子さんと彼女の娘のきん子ちゃんが住む「ドミトリーともきんす」に、研究者を志す四人の学生が下宿している。これら四人の学生の名は、朝永振一郎、湯川秀樹、牧野富太郎、中谷宇吉郎。ひとことで言って、今までに見たことのない漫画だ。 ドミトリーともきんすという架空空間。そこに日科学界に大きく貢献をした科学者たちを召還し、とも子さんとの何気ないおしゃべりをとおして彼らの哲学にふれていく。フィクションとノンフィクションが自然と溶けあい、不思議な空気を醸し出している。 おしゃべりの中身は各々の科学者たちの著書がソースになっており、しっかりした出典の説明もある。つまり、この漫画作品はこれら科学者たちの書籍を紹介する『書評』ともみなせる。科学者の言葉を扱ってはいるが、その中身は極限にまで削ぎ落とされているため、固

    ドミトリーともきんす:科学の世界へのなめらかないざない - クマムシ博士のむしブロ
  • 【書評】『パワー・エコロジー』生態学者たちの青春研究冒険譚集 - クマムシ博士のむしブロ

    パワー・エコロジー: 佐藤 宏明, 村上 貴弘 編 私は大学院生時代、動物生態学の研究室に所属していた。北海道大学大学院の地球環境科学研究科の東正剛(ひがしせいごう)研究室だ。書「パワー・エコロジー」は、この東研究室に学生として所属していた研究者らの青春研究冒険譚集である。 東正剛教授は「正剛」の漢字2文字が示すように、たいへんコワモテな外観の研究者である。歳とともに柔和になっていったが、私が学生の頃は、その威圧感から、そばにいるだけで緊張したものだ。書の表紙の中心にマリオ風に描かれているのが、東教授だ。ちなみに、表紙には私も描かれている。 背表紙にはクマムシさんの姿も。 東研究室のモットーである「クマムシからクマまで」が表すように、各学生の研究対象動物はきわめて多様性に富んでいた。東教授はアリをはじめとした社会性昆虫が専門だったが、テングザルやマレーグマなどの大型ほ乳類を研究する学生

    【書評】『パワー・エコロジー』生態学者たちの青春研究冒険譚集 - クマムシ博士のむしブロ
  • 研究者が沈黙する理由 - クマムシ博士のむしブロ

    公開された研究論文のデータについて議論をするのは科学研究の営みの一部です。科学研究における発見は、論文として発表されればその発見の妥当性が完全に保証されたことになる、というわけではありません。吟味されながら、その研究結果の妥当性が評価されていきます。これまでにも、有名雑誌に掲載された後に撤回された研究論文は数多くあります。 ある研究者が大きな発見の報告をし、国民の多くがその人を称賛するようになると、その研究者による研究報告の内容について議論すること自体が難しくなります。少しでも研究結果の疑義について論じれば、人々から非国民扱いを受けて個人攻撃を受けることがあります。そのような人々は、科学研究の作法について知らないのです。10年ほど前に、韓国ではこのような状況が起こりました。 ほとんどの研究者が疑念を持つようなデータがそこにあったとしても、世間にこのような雰囲気が形成されてくると、ブログなど

    研究者が沈黙する理由 - クマムシ博士のむしブロ
    keloinwell
    keloinwell 2014/02/17
    とりあえず沈黙しないで、ブログ書いてみました。論点はだいぶずれてますが。http://blog.livedoor.jp/keloinwell/archives/1799628.html
  • ヒルはクマムシよりも強いか - クマムシ博士のむしブロ

    ・ヒル ヌマエラビルというイシガメの体表に寄生するヒルが、−196ºCもの低温で凍っても生き延びることが分かった。東京海洋大学と農業生物資源研究所の研究グループの研究だ。 A leech capable of surviving exposure to extremely low temperatures: PLoS One 研究グループはヌマエラビルを含めた7種のヒルを使用している。これらのヒルたちを−90ºCの冷凍庫および−196ºCの液体窒素に放り込んで丸一日間保存した後、室温に戻して生死判定を行った。結果は、ヌマエラビルのすべての個体がピンピンしており、その一方で他の種類のヒルたちは全員凍死していた。 ヌマエラビルの中には−90ºCの温度下で最長32ヶ月間生き延びるものがいた。また、−100ºCと+20ºCの凍結-解凍のサイクルを12回繰り返した後に生きている個体もいた。卵も凍結に

    ヒルはクマムシよりも強いか - クマムシ博士のむしブロ
  • 再現性の無い研究論文を減らすにはどうすべきか - クマムシ博士のむしブロ

    自然科学、とりわけ医学生物学系の多くの論文で再現性の無いことが問題になっている。製薬会社が行った追試では、実験結果が再現できなかった論文は70〜90%にまでのぼっているらしい。 NIH mulls rules for validating key results: NATURE | NEWS この問題を解消するため、アメリカ国立衛生研究所(NIH)は、それぞれの研究結果について、独立機関によるデータ検証を義務づけることを検討しているようだ。だが、このやり方では追試による莫大なコストが発生すること、そして研究発表サイクルが長くなってしまう問題点もある。よって、この施策がすぐに採用されるとは考えにくい。 再現性の無い論文が多く生産される背景には、同じ分野における研究グループどうしの激しい競争がある。新規発見のプライオリティが認められるためには、最初に論文で発表するか、特許を申請しなくてはならな

    再現性の無い研究論文を減らすにはどうすべきか - クマムシ博士のむしブロ
    keloinwell
    keloinwell 2013/10/26
    (生物にとっては)枝葉末節な部分なのに、針小棒大して、さも幹であるかのように議論しているデータは、再現性に乏しいだろうな、と想像する。観測している事象を多様な視点で各々が考えることが大事だと思う。