早朝に純文学を書き、日中は起業したIT企業の役員を務める「クロステックな作家」上田岳弘氏が「アート&テック」をテーマにアーティストやテクノロジストと語り合う。今回の対談相手は台湾のデジタル担当政務委員(通称デジタル大臣)、オードリー・タン氏。AI(人工知能)などITの進化が続き、人間の活動を代替していったとき、「最後に残る、人がやること」は何か。タン氏の答えは「迷子になること」という、意外なものだった。(構成=谷島 宣之、通訳=大石 有美) 前回記事:「世界は1つになり、終わるのか」、台湾デジタル大臣とIT企業役員の作家に見える未来 上田:AI(人工知能)でやれることはAIに頼む。それを続けていったら最終的に人間は何を考えればよいのか。そのことが気になります。何を人間に残して、何をAIに任せるのか。タンさん、何だと思いますか。 タン:主に考えられるのは迷子になること、迷子だと感じることです