財務省はこのほど、今後4年間で全国に1万684カ所ある国家公務員宿舎のうち、約半分の5046カ所を廃止、売却すると発表した。割安との批判がある宿舎の賃料も14年4月から3段階に分け、平均約2倍に引き上げる。値上げ幅は過去最大となる。宿舎売却により約1700億円を捻出し、東日本大震災の復興財源に充てるが、14年4月からの消費税増税を控え、根強い「公務員優遇」批判を払拭し、国民の理解を求める狙いもある。ただ、衆院選の選挙公約で、公務員人件費削減を掲げた政党も多く、公務員の待遇はさらなる逆風にさらされそうだ。 今回の売却・賃料引き上げは、11年12月に財務省の検討会がまとめた「国家公務員宿舎の削減計画」に基づく。計画は、宿舎への入居が認められる職員を五つの類型に限定すると同時に、各省庁が必要戸数を精査。この結果、必要戸数は全国で16・3万戸となり、現在の21・8万戸から、5・6万戸を削減すること