■「仕事失う」「不動産が高騰」 【シンガポール=青木伸行】シンガポール議会は8日、政府が先月末に発表した移民の大幅な受け入れを柱とする「人口白書」を承認した。白書で示された新人口政策の狙いは、急速に進む少子高齢化による生産年齢人口の減少と労働力不足を移民で補い、経済成長を維持することにある。だが、国民の反発を誘発し、与党内からも異論が出るなど社会を揺るがしている。 ◆「労働力確保」狙い 合計特殊出生率は1・2と低く、生産年齢人口は2020年以降、減少の一途をたどる。これを食い止めるため政府は30年までに、現在531万人の総人口を最大で約3割増の690万人とし、現状では年間1万8500人の国籍取得枠を、最大で35%増の2万5千人に拡大するとした。 この結果、総人口に占める永住者を含む外国人の割合は38%から45%に増え、逆に国民の比率は62%から55%に低下する。民族構成比は中国系7