テクノロジーを活用した地方創生の新たな試みとして、日本IBMが今年5月にスタートした「イノベート・ハブ 九州」。首都圏にはない文化や産業、人材による新たな価値創出を支援するプロジェクトの舞台に選ばれた“九州”のユニークネスとは一体何か? 地方で胎動するイノベーションの潮流について、キーパーソンたちに聞いた。 ※前編はこちらから。 自治体による政策の柱として「スタートアップ支援」を提唱している福岡市は、一方で産学官連携による大学発テクノロジーベンチャーの育成にも注力している。目下、その最大の成果といえるのが、九州大学最先端有機光エレクトロニクス研究センターからスピンアウトした「 Kyulux」だ。 九州大学は2012年、「TADF」と呼ばれる革新的な有機EL材料の開発に成功した。Kyuluxは、九州大学が保有する有機EL発光材料に関する50以上の特許を集約し、TADFを独占的に製造・販売でき