教育評論家の尾木直樹さん。中学・高校で22年間にわたって教師を務めたあと、大学の教員としても学生たちと向き合ってきました。40年以上におよぶ教育現場での経験から、「平成は子どもたちにとって不幸な時代だった」と指摘します。その理由は?次の時代に必要なことはなんなのか?話を聞きました。(聞き手:ネットワーク報道部記者 管野彰彦) ――平成という時代をひとことで表すと、どのような時代でしたか? ひと言で言うと「子ども受難の時代」だと思います。 ――その理由はなんでしょうか? この30年振り返ってみると、子どもの不登校の問題、いじめの問題、教師からの体罰とか指導死と言われる問題。虐待の問題、それから貧困の問題、経済格差と学力との格差がまったく固定してしまった問題。 今言った問題が、データ的にはどんどん増えてきている。あるいはデータの変化はあまりないにしても悪質化している。子どもの分母が減っている中
新興出版社啓林館は、2020年度に全国の小学校で必修化するプログラミング教育に向け、新学習指導要領に準じた『ドリルの王様 楽しいプログラミング(1・2年、3・4年、5・6年)』を3月4日に発売しました。同社によると、PCやスマホなどでのプログラミングソフトの操作を前提としない小学生向けのアンプラグド問題集は今まで出版されていなかったといいます。 漢字ドリルや計算ドリルもある「ドリルの王様」シリーズにプログラミングが登場 現在、一部の学校や塾のパソコン授業などの情報教育では、スクラッチなどのプログラミングアシストツールを使っているところも多いですが、今回発売されたドリルではそうした情報ツールを用いずに、プログラミングの根本的な考え方や論理的思考(プログラミング的思考)の習得ができる内容になっています。 プログラミングの考え方が学べる問題 小学生向けプログラミングドリルは、どのようにして生まれ
そんな不安を解消するために、いじめから不登校までを描いた『中学なんていらない』の作者青木光恵さん、NPO法人「ストップいじめ!ナビ」代表の荻上チキさんのスペシャル対談を実施! 果たして、中学なんて本当にいらないのでしょうか? もし、いじめに気付けたら、大人にできることって? ――『中学なんていらない』は、青木さんの娘のちゅんこさんがいじめが原因で不登校になる話ですが、いじめはすぐに気付けましたか? 【青木】 嫌な男子生徒がいるって話は聞いていたんですよ。でも、はじめはその男の子、娘のことが好きなのかなと思ったんです。 【荻上】 ちょっかいを出してくる? 【青木】 そんな感じです。娘も「私だけに悪口を言う」って話していたので。そのことを知人に話したら、やっぱり「好きなんじゃないの?」って言われたんです。そう思っていたんで『中学なんていらない』でも書いたように、「もう学校に行くのヤダ!」って、
著書『採用基準』が10万部を超え、ジレンマ世代を中心に注目を集めている、キャリア形成コンサルタントの伊賀泰代さん。高校卒業後にフリーターを経て、現在はベンチャー企業の代表を務める大竹智也さんを、伊賀さんは「大竹さんは高卒で、色覚障害もあって、そういう点だけをみれば“かわいそうな若者”に分類してしまう人もいるかもしれない。でも実際には海外で起業したり、本を出せるだけの専門性を身につけていたりと、すごく前向き。こういう若者を見ていると、就職活動の厳しさなどをことさらに取り上げて“今の若い人は大変”と言う世の中の風潮や、“やっぱり学歴は重要”という考え方には違和感を持ちます」と語ります。 そんな伊賀さんと大竹さんの対談は、「元気ー?」「まさか、こういう場でお会いすることになるなんて(笑)」と、にぎやかに始まりました。既存のしくみや価値観がジレンマ世代に与える影響から、未来の働き方のヒントまで、痛
震災と原発事故の不安に国民が震えた昨年、改めて「強い父親」が求められた。かつて『スパルタ教育』(光文社)という本を上梓し、「父性」の復興を唱えてきた石原慎太郎・東京都知事(79)にプロインタビュアー、吉田豪氏が石原流教育論を聞いた。 * * * ――いってもわからない時期(のしつけや体罰など)はしょうがない。 石原:体罰はいいんだ。身にしみるからね。残虐行為とは全く違う。立たせるとか男のお尻をたたくとか、せいぜい平手打ちを食らわすぐらいあったっていいと思うな。やっぱり、しつけですよ。しつけっていうのは刷り込みなんです。たとえば九九算ですよ。あれは計算じゃなくて、刷り込みで暗記してる。それをやらなきゃダメです。それをある年齢まで来たときに、とにかく半ば強制的にやれるのは集団生活しかないから。 ――そう主張するのも大変だと思うんですよ。(戸塚ヨットスクールの)戸塚宏さんがあれだけ叩かれたわけじ
東大を目指していました。東京に出たかったですし、官庁志望だったので東大から行くのがいいだろうと思ったんです。その後、考えが変わって、在学中に起業しましたけど。高校時代は水泳をやっていたので、浪人してブランクができることが嫌で、現役で受かりたいという気持ちもありました。 高校の成績は悪くなかったんですが、府立高校だったので、私立より授業の進度が遅かった。(高3の)10月に受けた模試は、最低ランクの判定で、厳しい内容でした。そのとき父から「とにかく基本を固めろ。それが大事だ」とアドバイスをもらったんです。わりと素直に受け入れて、教科書や学校でもらった参考書を中心に勉強しました。基本ができないうちから、焦って難しい問題集に取り組む必要はないんじゃないかな。僕も、無理に背伸びをして難しい問題を解いていたら、たぶん実力はつかなかった。基本的な問題を繰り返し解くこと、それも解き方を覚えるのではなく、き
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