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novelとcriticsに関するkenjiro_nのブックマーク (5)

  • 文芸時評:3月 ポスト真実の時代に 虚構が語る事実=田中和生 | 毎日新聞

    森友学園の問題から出てきた、公文書改竄(かいざん)という事態を文学的に見ると、言葉がかつてなく軽くなっていると感じる。なぜなら現政権が折に触れて示しているのは、言葉は事実でも真実でもなくてよいという言語観だからである。それでも政治の現場では、これまでの常識にしたがって言葉を「事実らしい」「真実らしい」ものにするという力が働くので、事実や真実の方をねじ曲げるようなことも起きる。 しかし居心地が悪いのは、この言語観を「言葉では事実も真実も語れない」と言い換えると、多くの文学者が同意するものになることだ。実際、作家同士の対談などで「言葉は事実も真実も語れない」し、だから「作品の意図を聞かれてもわからない」といった発言を見つけることは難しくない。これは事実や真実を描こうとしてきた近代文学を批判した、一九八〇年代以降のポストモダン文学的な考え方がもたらしたものである。

    文芸時評:3月 ポスト真実の時代に 虚構が語る事実=田中和生 | 毎日新聞
  • 「後押しになったのは東日本大震災」池澤夏樹が大江健三郎に語った「新しい」日本文学全集の真意 - エキサイトニュース

    編集しているのは池澤夏樹。小説家であり、翻訳家でもあり、書評家でもあり、娘は声優の池澤春菜、父は小説家の福永武彦。 池澤は2007年から2011年にかけて世界文学全集も個人編集で刊行している。ミーハーなことを言うと、この世界文学全集がめちゃくちゃオシャレだった。作品のセレクトも、装丁も、ミーハー心がくすぐられた。 そして2014年11月から、待望の日版の刊行! 最初に出たのは池澤夏樹が訳しなおした『古事記』。……やっぱりオシャレ! 刊行記念イベントとして、11月29日に新宿紀伊國屋サザンホールでトークイベントが行われた。登壇者は池澤と、ノーベル文学賞受賞作家である大江健三郎。 日文学全集の後押しをした「東日大震災」 池澤「今の時代は『教養』から『消費』へと変わってしまっている。今までと同じ全集を作ってもしょうがない。ポリシーをもってつくったのが世界文学全集です。古典を全部外して、第二

    「後押しになったのは東日本大震災」池澤夏樹が大江健三郎に語った「新しい」日本文学全集の真意 - エキサイトニュース
  • 「ロボット(R.U.R.)(岩波文庫)」カレル・チャペック 著

    チェコの劇作家カレル・チャペック(1890-1938)によって1920年に発表されたSFの代表的古典作品の一つ。現在、広く使われる「ロボット」という語はこの戯曲のためにチャペックによって考案された言葉であった。チャペックの死後50年を経て著作権保護期間も終了し、現在では岩波文庫版の他、青空文庫(参照)やamazonキンドル(参照)などで新訳が公開されている。 チャペックによると作に登場する人造人間を表す言葉について画家である兄のヨゼフ・チャペックに相談したところ、「ロボット」という語を提案されたという。“robot”はチェコ語で「賦役」を意味する”robota”からaを除いたもので、同系統であるスラブ語派のロシア語では” Работа”(rabota)は「労働」を意味し、ゲルマン語派のドイツ語で同じく労働を意味する”Arbeit”とも関係がある語だとされる。 何故、賦役や労働を意味する語

    「ロボット(R.U.R.)(岩波文庫)」カレル・チャペック 著
  • 村上春樹の「孤独」と西村賢太の「孤独」 - いつか電池がきれるまで

    参考リンク(1):村上春樹の「好き」「嫌い」はどこで分かれるのか? に関する一考察 - (チェコ好き)の日記 村上春樹ファンとしては、いろいろと語りたくなるエントリだったのですが、限りなく長くなってしまいそうなので、以下の部分に関して、思いついたことを手短かに書いてみようと思います。 (あくまでも僕の独断と偏見に基づくものなので、あんまり怒らないでね) 村上春樹の小説で孤独をうったえる主人公は、“孤独”とはいっても恋人か都合のいい美女がすぐに現れるし、経済的にも恵まれていて、(つくるはちがいますが)友人もいる場合があります。そして、青山や恵比寿のオシャレなバーへ、颯爽と入っていく。「そんなオシャレな“孤独”は“孤独”じゃない!」というのが、アンチ派から多く聞く声です。 でも、私はやっぱり村上春樹の世界の主人公たちは、孤独だなぁと思うんですよ。友人がいない、恋人がいない、お金がない、というの

    村上春樹の「孤独」と西村賢太の「孤独」 - いつか電池がきれるまで
  • 『俺俺』で大江健三郎賞受賞の作家・星野智幸さん 震災後も不毛な対立に終始する政治+(1/2ページ) - MSN産経ニュース

    他人への想像力を欠いた「俺」が無限に増殖していく。そんな現代日を描き出した長編『俺俺』(新潮社、1680円)で第5回大江健三郎賞に決まった星野智幸さん(45)。政治や社会状況を積極的に扱う気鋭の作家は「不毛な二項対立が繰り返されている原発の議論を見る限り、政治の状況は以前と何も変わっていない」と大震災後の社会を冷静に見つめている。 東京近郊の家電量販店で働く「俺」は、マクドナルドの店内で隣に座った男の携帯電話を手に入れ、出来心で振り込め詐欺を実行する。ところが、なぜか「俺」はだました母親の当の息子になり、当の実家に行くと知らない男が「俺」を名乗って生活していた。やがて周囲のみんなが「俺」になり、果ては「俺」同士の殺し合いが始まる…。そんな奇抜で不条理な物語『俺俺』は、誰もが代替可能な存在になり、自意識の崩壊に直面する現代人の苦悩を浮き彫りにする悲喜劇であると同時に、ともすれば自己中心

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