著者の藤森かよこさんは、リバタリアンのアイン・ランドの研究者なので、彼女の思想を藤森さんの生き方に重ね、現代日本という文脈に合わせた一般向けの書籍だろうなと期待して読んだ。が、半分くらいまではアイン・ランドは出てこない。出てきたときはさすが研究者だなと思うようなとんでもない逸話が出てきてびっくりした。 というわけで、前半は、概ね、知的な65歳の現代女性で、いわゆるリベラル的な圏内の呪縛のない、言い方は悪いが、現実的なおばちゃんが、実際には8割がたを占めるであろう馬鹿ブス貧乏女性に、本当に愛を込めて書かれた教訓本である。現実と彼女の人生に裏付けられているので説得力がある。その分、通俗的だが、そうした通俗性を捨象すればフェミニストの上野千鶴子さんとよく似たタイプのフェミニズムの入門書でもある。特にそうした面では、レイプ後の具体的な対応についてかなり踏み込んで書かれていて、若い女性は読んでおくほ