家族や人と人のつながりを深く見つめる作品などで知られる是枝裕和監督。「万引き家族」が去年のカンヌ映画祭で最優秀賞を受賞したのに続き、ことしのベネチア国際映画祭では、新たな挑戦に踏み出しました。フランスの大女優が主演、全編フランスで撮影、という異色の最新作は、世界にどう受け止められたのでしょうか。(ヨーロッパ総局記者 古山彰子) 世界3大映画祭の1つ、ベネチア国際映画祭。その開幕を飾るオープニング作品には毎年、大きな関心が集まります。ことし選ばれたのは、是枝監督の最新作、「真実」。オープニングで日本人監督の作品が上映されるのは初めてです。この日の記者会見には是枝監督が出席。両脇にはフランスを代表する俳優、カトリーヌ・ドヌーブさんとジュリエット・ビノシュさんの姿がありました。会場は満席で、立ち見の記者もいるほどでした。 映画「真実」。ドヌーブさん演じる国民的大女優の自伝の出版をきっかけに、ビノ