篠原一の『市民の政治学―討議デモクラシーとは何か』(ISBN:4004308720)を読んでいて「サブ政治」の解説部分が簡潔で分かり易かったのでメモ。「サブ政治」という用語はベックの『危険社会』(ISBN:4588006096)でも後半に頻出している。 しかし、社会国家という形の公的介入が限界に達し、他方、経済的技術的発展が未知の危険をもたらすようになって、事態は変貌する。つまり一方では、これまで中央の政治システムによって行われてきた決定の有効範囲が狭められ、たとえば市民運動や社会運動や自発的結社など、外からの「入力」という形で政治参加をすることが必要になり、政治の境界線が曖昧になる。他方では、経済=技術が非政治としての性格を失い、そこから新しい政治と思われるような現象が生まれる。つまり新たなる社会の輪郭は議会の合意や行政府の決定によって決められるのではなく、むしろ電子工学、原子炉技術、遺