安倍政権が出発して、国会論戦が始まっている。私は、「再チャレンジ」という言葉が踊るたびに違和感を感じてきたひとりだ。「格差社会とは言い切れない」とのらりくらりやってきた小泉政権が、「格差のどこか悪いのか。成功した人の足をひっぱるような姿勢は慎むべき」と放言してきた一方で、当時の安倍官房長官は一気呵成に実効性のある政策をまとめようとして、5月30日には『再チャレンジ可能な仕組みの構築』(中間とりまとめ)を発表している。その姿勢は、小泉前総理の市場原理主義の政治からの修復を意図したものだと言われている。「仮に失敗しても何度でもチャレンジができ、「勝ち組・負け組」を固定させない社会の仕組みが必要である」として、「フリーターだけど正社員として働きたい」「健康を害したがまた働きたい」「パートだが正社員と同じ処遇で働きたい」などの声にこたえていきたいとしている。本当に格差社会是正に役にたつのかどうか。