第13回大佛次郎論壇賞(朝日新聞社主催)は、今野晴貴・NPO法人POSSE(ポッセ)代表(30)の『ブラック企業――日本を食いつぶす妖怪』(文春新書)に決まった。若い正社員を大量に採用して過酷な労働環境でうつ病や退職、過労死に追い込む一群の企業を指摘し、日本的雇用の新たな問題を明らかにした。来年1…
【伊藤唯行】「うまい、うますぎる」。埼玉県民なら誰もが知っている「十万石まんじゅう」の有名な宣伝フレーズだ。このセリフ、実は世界的な版画家・棟方志功が60年前、このまんじゅうをほおばって発した一言だった。 埼玉の郷土銘菓として知られる十万石まんじゅう。十勝産小豆を使ったこしあんを、もっちりとした米粉の薄皮で包み込んだ素朴な味わいの和菓子だ。製造する「十万石ふくさや」がある行田市は忍城(おしじょう)の城下町として知られ、名前はその石高に由来する。 この十万石まんじゅう、地元のテレビ埼玉で30年以上も流れているCMが有名だ。男性の声でうなるようにひねり出す「うまい、うますぎる」というフレーズは、埼玉育ちの人なら耳慣れたもの。最近はケーブルテレビなどで都内でも見られる。このフレーズが生まれたのが、60年前の1953(昭和28)年だった。
人気漫画「黒子(くろこ)のバスケ」を巡る連続脅迫事件で、警視庁は15日、大阪市の職業不詳、渡辺博史容疑者(36)を威力業務妨害の疑いで逮捕し、発表した。「ごめんなさい、負けました」と容疑を認めているという。 捜査1課によると、渡辺容疑者の逮捕容疑は昨年10月12日、東京都千代田区の上智大キャンパスの体育館2階で、「喪服の死神(しにがみ)」を名乗る脅迫文と、硫化水素が発生している容器を置き、同大学の業務を妨害したというもの。 同漫画を巡っては、昨年10月以降、アニメを放送する放送局やイベント会場、書店などに対する脅迫文が相次いで送られた。 今年10月には、コンビニ最大手「セブン―イレブン・ジャパン」に、同漫画の関連商品のウエハースに毒を入れて置いたとする脅迫文が届いた。回収したウエハースを警視庁が鑑定したところ、毒物のニコチンが検出された。 警視庁が把握しているだけで、脅迫文は250通に及ぶ
森雅子消費者相は13日、民主党政権が2012年1月に閣議決定した独立行政法人国民生活センターの廃止方針を取り消し、ほぼ現在の形で存続させることを明らかにした。 同センターは全国の消費生活センターに寄せられた相談などの情報を収集・分析したり、独自の商品テストをしたりしている。森氏は「消費者行政における中核的な機関として、必要不可欠な存在」と評価したうえで、独立行政法人として存続させる方針を示した。 民主党政権では、事業仕分けの対象となり、09年に発足した消費者庁と重なる業務が多いとして、業務を同庁に移管して廃止することになっていた。
障害者の差別禁止や社会参加を促す国連の障害者権利条約の承認案が3日、参院外交防衛委員会で全会一致で可決された。4日の参院本会議で可決され、国会で正式に承認される見通しとなった。条約発効から5年余りでようやく日本の批准が実現する。 条約は2006年12月に国連総会で採択され、08年5月に発効した。「障害に基づくあらゆる差別」の禁止や、障害者の権利・尊厳を守ることをうたう。締結国は、公共施設を使いやすくするなど、さまざまな分野で対応を求められる。主要8カ国(G8)のうち日米以外の国や中国、韓国など、計137カ国と欧州連合が締結済みだ。 日本政府は早期締結をめざしたが、障害者団体が「国内対策を充実させた上で批准すべきだ」と要望。政府は12年に障害者総合支援法を、今年6月には障害者差別解消法を成立させるなど、批准に向けて国内法令を整備してきた。 障害者関係団体でつくる日本障害フォーラムの藤井克徳・
【岡雄一郎、河原田慎一】経済協力開発機構(OECD)は3日、2012年に65カ国・地域の15歳約51万人を対象に実施した学習到達度調査(PISA〈ピザ〉)の結果を公表した。日本の平均点は、「読解力」「数学的リテラシー(応用力)」「科学的リテラシー」の全3分野で、現在と同じ調査方法になって以降、最高だった。国・地域別順位も2回続けて上昇し、学力の向上傾向が鮮明になった。 PISAは00年から3年ごとに実施され、今回が5回目。調査方法は、読解力は当初から変わらず、数学は03年、科学は06年から現在と同じ。国・地域別順位では上海が前回に続き、3分野全てで1位だった。 日本は無作為抽出の約6400人が受けた。平均点は読解力538点(4位・前回比18点増)、数学536点(7位・同7点増)、科学547点(4位・同8点増)。7~8段階の習熟度別では、全3分野で上位層(レベル5以上)が増え、下位層(レベル
2015年春に開業する北陸新幹線の長野―黒部宇奈月温泉(富山県黒部市)間で2日未明、試験走行が始まった。長野駅のほか、初めて車両が走る飯山駅(長野県飯山市)、上越妙高駅(新潟県上越市)には、多くの地元関係者が集まり、歓迎の式典を開いた。 2日午前1時過ぎ、長野駅で開かれた式典で、加藤久雄・長野市長が「延伸は沿線住民にとって待ちに待ったもの。試験電車の発進で期待感はさらに盛り上がるのではないか」とあいさつ。拍手で送り出されたJR東日本の検査車両「イースト・アイ」は、電気が正常に通っているかを確認する検査などで何度か停車しながら、最高時速30キロで走行。約30キロ離れた飯山駅に午前4時9分に到着すると、市民ら約200人が旗を振って出迎えた。午前6時15分すぎ、上越妙高駅でも約300人に迎えられた。 糸魚川駅(新潟県糸魚川市)には午後0時15分に到着した。黒部宇奈月温泉駅には午後3時ごろに着く予
危険な現場で働く人にはヘルメットや命綱の装着が義務づけられている。 長時間労働の歯止めも同じではないか。 月80時間の残業が「過労死」の危険ラインとされる。昨年度の労災認定の状況をみると、脳や心臓の病気で亡くなった123人のうち9割、うつ病など精神疾患による自殺や自殺未遂の93人のうち6割が…
法務省の研究機関・法務総合研究所が15日、犯罪白書を公表した。女子刑務所の入所者がこの20年で倍増し、65歳以上の高齢者では10倍になったとしている。欠かせない車いすや杖、身の回りの世話をする刑務官……。「まるで福祉施設」とも指摘される刑務所で何が起きているのか。 午後4時半。工場で刑務作業を終えた女性受刑者たちが整列した。列の後尾には、杖をついたり足を引きずったりしながらついていく人たち。車いすの受刑者は別に分けられ、それぞれの居室に戻っていった。 先月下旬、女性だけが入所する和歌山刑務所(和歌山市)で許可を得て取材した。定員500人を超える564人(10月25日時点)が入り、60歳以上が約4分の1の140人。多くが糖尿病、白内障などの疾病を抱えているという。 認知する機能が低下した人もいる。トイレに付き添い、下着を下ろせるかを確認するのは刑務官だ。「税金を使い、受刑者を介護する状況にな
【丹治吉順】「ネットでは『歌手』と『歌い手』は違うってホント?」。はい、違います。でも、普通は分からないですよね。 4月、千葉・幕張メッセで開かれたニコニコ超会議。ニコニコ動画の人気コンテンツを展示するイベントで、ライブが開かれました。舞台で歌ったのは人気ジャンル「歌ってみた」の投稿者たち。約1万人の聴衆が熱い声援を送りました。彼らは「歌い手」と呼ばれます。 では、「歌ってみた」から、歌い手という言葉が生まれたのでしょうか? 「もっと古いです」と話すのは、「歌ってみた」の週刊ランキング動画を製作しているハンドルネーム「歌らん」さん。同人ゲームの音楽や、音声投稿できるボイスブログなどが発祥のようです。「歌手と歌い手の主な違いは、CDを出しているかいないか、商業活動をしているかいないか、だったようです」 代表的な女性歌い手のヤマイさんは、2006年ごろにボイスブログを開始、マイナスワントラック
山本太郎参院議員が園遊会で天皇陛下に手紙を手渡したことについて、国会内での記者団との主なやりとりは以下の通り。 ――園遊会で天皇陛下に手紙を渡したのですか 「陛下にお手紙を渡させていただきました」――手紙の内容は 「原発事故の現状をお伝えした。子どもたちの被曝(ひばく)が進んでいくと、健康被害がたくさん出てしまう。食品の安全基準でもすごく危険な部分がある。あと、原発の収束作業員が本当に最悪の労働環境で作業をやってくださっている。劣悪な環境の中で、搾取されながら労働の対価を手にすることなく、本当に命を削りながらやっているにもかかわらず、健康管理であるとか放射線管理というものは本当にずさんなままでされている。そういう実情を手紙の中にしたためさせていただいた」 ――手紙はいつ準備したのか 「書いたのは前日。一枚につながった紙に筆で書いた」 ――陛下との(言葉の)やりとりはあったのか
JR西日本は24日、線路への転落や電車との接触を防ぐ新型の「ホーム柵」を公開した。扉の位置が異なると設置できなかった従来のホームドアと違い、様々な車両に対応できるのが特徴だ。12月上旬から大阪市のJRゆめ咲線桜島駅1番ホームで試行する。 兵庫県尼崎市の施設内で公開されたホーム柵は、ステンレス製のロープ5本が50~120センチの高さに水平に伸び、利用者の線路への転落などを防ぐ。電車が到着するとロープを約2メートルの高さに上げ、客を乗降させる。下り始めたロープの下を無理にくぐろうとすると、「離れて下さい」という音声とともにロープの動きが止まる機能もある。 国土交通省によると、ホームドアは昨年度末現在、全国564駅で整備されたが、関西の大手私鉄5社の駅には一つもない。JR西の在来線では東西線の大阪天満宮と北新地の2駅だけだ。関西で少ないのは、扉の位置のばらつきが多いことが背景にあるという。JR西
帝国データバンクは18日、東京都多摩市馬引沢2丁目のそば店「泰尚(たいしょう)」が、東京地裁から破産手続きの開始決定を受けたと発表した。アルバイトの男子大学生が、店内の大型食器洗浄機の中で横たわった画像を交流サイト・ツイッターに投稿した後、閉店していた。負債総額は約3300万円。 決定は9日付。帝国データバンク東京西支店などによると、8月、男子大学生が画像をツイッターに投稿したところ、インターネット上で批判が殺到。店には衛生面で苦情電話が相次ぎ、閉店に追い込まれた。 同支店は「業績はもともと厳しかったようだが、ツイッター投稿が倒産の引き金になった可能性はある」と分析している。 泰尚は1984年創業。一時は町田市にも2店舗を構え、2011年5月期の売上高は約1億2千万円あったが、創業者が昨年亡くなり、経営が悪化していたという。 関連リンク線路侵入しツイッター投稿 神戸の高校生6人を書類
東京で9月22日にあった差別撤廃を求めたデモ。横断幕やプラカードを掲げ、差別撤廃を訴え、行進した金明秀・関西学院大教授 ■金明秀(関西学院大教授) 今月7日、在日特権を許さない市民の会(在特会)の会員らによる京都・朝鮮学校前での街宣活動に対し、民事訴訟の判決が下りた。同会員らの言動を人種差別と認め、高額の損害賠償と同校周辺での街宣禁止を命じたものだ。原告勝訴の判決を受けて「行き過ぎた差別表現は現行法制によっても規制できることを示した」といった楽観論も見られたが、実際には速報が出た直後から判決に反発するヘイトスピーチがインターネット上に大量にあふれっぱなしである。日本における排外主義の根はすでに深い。 在特会らの言動に見られるように、人種や民族によって人間に優劣を設けたり、異なる人種や民族を相いれない存在として遠ざけたりする態度をレイシズムというが、これまでの研究から、日本におけるレイシ
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